みきまるの優待バリュー株日誌

2020/09/24(木)14:00

5. 配当性向の高い高配当株が高成績であったことはほとんどない。

株式投資全般(1975)

​ さて今日は株式投資本オールタイムベスト108位  行動科学と投資 (ダニエル・クロスビー著、パンローリング、2020年)  の第5弾です。  今日は第5章 保守主義 を中心としてお送りします。  ​​ これまであなたがしたことで、最も意味があったことを考えてみてほしい。それを達成するためには、ある程度のリスクや不確実性や努力があったに違いない。どんなリスクにも言えることだが、ここには価値ある教訓がある。 確実性を求めれば、平凡に終わる ということだ。​  安全第一で行くのが最も安全だし、損失を回避することが損失を最も抑えられる。さまざまな心痛を避けるために独身を続けてきたのに孤独を感じている人や、起業したくても自分を信じて賭けることができないために嫌いな仕事を続けている人や、ボラティリティを恐れて動けなくなり、退職時に必要な資金が確保できていない投資家を想像してみてほしい。 ​ 皮肉なことに、 脅迫的に損失を回避しようとすると、最も恐れていることが起こってしまう のである。​​ ​​​​  株式投資で成功して一定レベルの資産を築き上げ、「よしこれでリタイアできる。」と仕事を辞めて専業投資家生活に入られる方が良くいらっしゃいますが、私の観察だと、兼業投資家時代よりも逆に成績を落としている場合も多いです。  投資に割ける時間的な余裕は兼業時代よりも間違いなく増えているはずなのにどうしてこうなるのかというと、「この金は失えない。」という気持ちが強くなって、無意識の内に「リスクを取る力」が弱まってしまうからではないか?と個人的には考えています。  ​​ おびえた投資家は、明日よりも今日も優先したり、大きな潜在利益よりも平凡な利益を選んだりすることで、行動科学的投資家に驚くほど大きな株のリスクプレミアムを提供しているということだ。このプレミアムを得るためには、普通の投資家の逆、つまり今日よりも明日を優先すればよい。​​​​    これも先の指摘に連なるのですが、 隠居して「配当金生活」に入られている方の投資パフォーマンスと言うのは、大まかに言って「大体悲惨」 です。それは「配当性向の高い、知名度の高い、でももう全く成長力がなくて業績もじり貧の、老成した大型の高配当株」にポートフォリオが偏りがちになるからですが、歴史的に見て、  ​​​配当性向の高い高配当株が高成績であったことはほとんどない​​​  のが残酷な事実なのです。悲しいことに、不可思議な投資の世界では、 高配当であることは有効なファクターではない のです。 ​「絶対確実」や「安全」が一切存在しないのが投資の世界の大原則なのに、そこにあるはずのない幻を求めてしまうと、その代償は限りなく大きなものになる​  んですね。(続く)​​​​​

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