さて今日は、株式投資本オールタイムベスト6位
ピーター・リンチの株で勝つ (ピーター・リンチ著、ダイヤモンド社、2001年)
の第4弾です。
尚、これは、2020年1月に発売した
みきまるの「続」書籍版 株式投資本オールタイムベスト
に先行プレミアム収録していたものを、発売後一定の期間が経過したために改めてブログ用に「満を持して降ろした」記事となります。一部に本とは内容が異なる部分がありますのでご了承ください。
今日も珠玉の出来である、第16章 ポートフォリオを作る から。
私は、常に銘柄やストーリーをチェックして、事情の変化に応じて保有株を買い増したり、減らしたりしている。しかし、そのときどきに予想される投信の解約に応じるための売りを除いては、現金化することはない。
現金化するというのは、株式市場から降りるということ だ。状況に応じて株の入れ替えを行い、常に株式市場にとどまるというのが、私の考え方 である。もしあなたが、ある金額を株式投資に向けようと決めたのなら、 常に株に投資し続ける こと。 これがタイミングの悪い行動や、もたつきから、あなた自身を救う ことになろう。
ピーター・リンチもこのように、 「マーケットタイミング」を計る戦略の危険性をはっきりと明言 しています。名著 「敗者のゲーム」 の中で、著者の チャールズ・エリス が口を酸っぱくして何度も述べているように、
投資家は、「稲妻が輝く瞬間」に市場に居合わせなければならない。相場のタイミングに賭ける投資は間違っており、決して考えてはいけない。
んですね。
私はこのピーター・リンチの、
現金化するというのは、株式市場から降りるということ
と言う警句を、本を読んだその日から片時も忘れることはありませんでした。そしてその後彼の教えを忠実に守り続け、
いついかなる市場環境下であっても、常に明るくニコニコ笑顔でフルインベストメント
という鉄則を貫いてきました。
そのためマーケットに暴風が吹き荒れた時には漏れなく必ず手痛いダメージを喰らい続けてきましたが、それと同時に市場に訪れた「稲妻が輝く祝福の瞬間」を逃すことも決してありませんでした。
自分は過去20年間の投資成績は、トータルではインデックスを大きく上回ってこそいるものの、他のツイッター上の凄腕投資家の方々と較べると正直に言って「B級」クラスに留まっていると思います。
私には投資家としての欠点が星の数ほどたくさんあります。ずば抜けて投資判断が良いわけではない、むしろかなりのんびりとしていてチャンスを逃してばかりいる、夢のあるストーリーを描ける銘柄が大好きで目の前の現実が見えていない、中年なのに「万年ドリーマー」でいつまで経っても脇が甘い、株式投資を「実益を兼ねた最大の趣味」にしてしまっていて冷徹なビジネスとして取り組めておらず毎年の成績の凸凹が激しい、自らの「恐怖と欲望の感情のコントロール」が十分にできていない、パッと思い付くだけでもこんなにあります。
ただそれでも、自分は「20年前には想像することも出来なかった地平」にまで既に辿り着くことが出来ました。そして、その最大の理由は、リンチ先生の「現金化して市場から降りてはいけない。」という教えを片時も忘れなかったことなのです。いつも、どんな時も、「持っているお金の99%をマーケットにぶち込んで全力で勝負する」姿勢を一貫して維持し続けたため、「率はイマイチでも、複利の効果でいつの間にか額がデカくなった。」んですね。
つまり、今の私があるのは、ある意味ではピーター・リンチのこの神本が常に本棚にいてくれたからなのです。本当に感謝しても感謝しきれないですね。