2023/07/29(土)13:46
9.モフモフエアバッグだらけの優待バリュー株投資手法。
さて今日は株式投資本オールタイムベスト137位
投資の科学 (マイケル・J・モーブッシン著、日経BP社、2007年)
の第9弾です。
今日は 第25章 確率と経験 から。
現実の世界は、平均値や代表値によってではなく「異常値」によって支配されている。- 普通ではなく例外によって、ありきたりな下落ではなく大暴落によって、中産階級ではなく大富豪によって。われわれは「平均的」な考えから自分自身を開放する必要がある。
フィリップ・アンダーソン(ノーベル賞物理学賞受賞者)
、、、なんすか、この血の凍るような名言は。私は初めて聞いたのですが、まさに私たちが日々戦う株式市場の真実ですね。。。
物理学者のフィリップ・アンダーソンが指摘しているように、世界を支配するのはたいてい、分布の端っこ(テール)に位置する例外的な出来事なのである。
正規分布は、ランダムウォーク、資本資産価格モデル(CAPM)、バリュー・アット・リスク(VaR)、ブラック=ショールズ・モデルをはじめとするファイナンス理論の基礎である。
過去の研究は、価格変動が正規分布しないことを示している。
正規分布よりも、両端に分布するデータが多い(ファットテール)。これは、大規模な変動が予想以上に頻繁に生じることを意味する。
なかでもファットテールについては強調しておきたい。実際のマーケットでは、正規分布が示す確率よりもかなり頻繁に極端な価値の変動が起きるため、ポートフォリオー特にレバレッジを効かせたポートフォリオーのパフォーマンスは重大な影響を受ける。
リスクを評価する標準的なモデルであるCAPMは、リスクと報酬を線形の関係式で表している。対照的に、株式市場のように自己組織化臨界のシステムでは、両者の関係は自ずから非線形になる。
ヘッジファンドの世界における悲劇のほとんどは、ファットテール現象の直接的な帰結である。投資家は、このような例外的な事象を考慮にいれてポートフォリオを構築する必要がある。
いやあ素晴らしいです。株式市場では値動きは正規分布しない、平均値ではなく常に異常値に支配されている、つまり、理論的には滅多に起こらないはずの大災害・凄惨な暴落が、実際にはカジュアルに頻繁に起こる、ということです。わかりやすく言うと、「理論的には100年に1回のはずの大暴落がなぜか毎年発生する、クレイジー極まる世界」ということですね。
そのため、私達投資家は タレブの言う反脆い 、「ピンチの時に安全装置が働くポートフォリオ」を作成しなくてはならないのです。そして、それが私にとっては
モフモフエアバッグだらけの優待バリュー株アナグマ投資法
なんですね。
(続く)