さて今日は株式投資本オールタイムベストです。第144位は、
ベスト・ルーザー・ウィンズ(トム・ホウガード著、パンローリング、2024年)
です。今年2024年に発売された投資本の中では間違いなくトップクラスの1冊ですね。
最初に述べておくと、この本はマーク・ダグラスの歴史的金字塔 「ゾーン」 に連なる相場心理学に関する1冊です。本書の随所にゾーンの影響が感じ取れます。言い方を変えると「ゾーンの新解釈」いやむしろ、
「ゾーン 最新章」
という感じの本です。
でもゾーンが発売されたのは2002年の事であり、それから既に20年の時が流れました。著者のホウガードはその後の相場心理学や行動経済学の進化を取り入れて文章化しており、そこにこの本の値千金の価値があると思います。
恐らくですが、投資初心者の方が読んでも「???」ということになると思います。壁にぶち当たっている中上級者向けのハードボイルドな1冊です。イメージで言うと、「なかなか資産1億円の壁を越えられない。」とか、「平均すれば何とかインデックスには勝てているけど、突き抜けた成績を上げられない。」と言う様な悩みを持っている投資家の方々に刺さるだろうな、と言う内容ですね。
最初に一言だけ言っておくと、著者のトム・ホウガードは「ガチで勝ち続けているスーパートレーダー」です。この人、マジで本物です。その辺の「実際には勝っていないなんちゃって投資家」とは一線を画しています。内容にはポエムっぽいところもたくさんありますが、ところどころに「あぁ、コイツはサイコパスのガチモンだな。」と感じる、とんでもなく凄い言葉が散りばめられています。
それでは次回からは、この本のベストオブベストの部分を見ていきましょう。(続く)