6. 高配当株投資法は優れた戦略ではない。
さて今日は株式投資本オールタイムベスト153位 市場の神話にだまされるな(ケン・フィッシャー著、パンローリング、2025年) の第6弾です。 今日も、第8章 インカムを確実に手に入れるための高配当株ー引退後のインカムを確実なものとするために高配当銘柄に投資する から。 もう1つの神話が、配当を支払うということは企業が健全であるという証拠だというものだ。配当を支払う企業なら、現金があふれていて、とても健全に違いない。そうではないだろうか。そして配当利回りが高くなればなるほど、その企業は健全に違いない。そうではないだろうか。 間違いである。 今はなきリーマン・ブラザーズを覚えているだろうか。同社は2008年8月に配当を支払った。崩壊するほんの数週間前である。配当は確実に安全であることのサインなどではないのだ。まったくそのようなことはない。 すでに引退していようが、引退が近づいていようが、もしくは40年後に引退しようが、投資家は配当利回りではなく、トータルリターンに気を配るべきである。つまり、価格上昇と配当を足したものである。 そうすることで、配当利回りだけではなく、自分の目標と投資期間に基づいてベンチマークを選ぶことができるようになる。 配当利回りにだけ注目すると、高配当株が不人気になったり、配当が定期的に減少したり、または配当がなくなったら、それ以外の投資対象に投資していた場合に比べて大幅に遅れを取ることになりかねない。優れた戦略ではないのだ。 この章でケン・フィッシャーは「高配当株投資法の危険性」を懇切丁寧に分かりやすく教えてくれていますね。 ラリー・E・スウェドローが名著「インデックスファンドを推奨する42の理由(パンローリング、2024年)」やホームラン級の神本「ファクター投資入門(パンローリング、2018年)で鮮やかに喝破したとおり、 配当は重要なファクターではない ということです。 ただ今のXを見ていると、「高配当株投資法こそ至上&最強の投資法である」と言う様な謎の考え方が広く蔓延しているように感じており、その注意喚起も含めて今回は何回かに分けてこの問題を考えてみました。 更に言うと最近大きな社会問題となっている、 「みんなの●家さん」 や古くは 「安愚楽牧場」 などのポンジ的なスキームの投資商品に多くの方が無意識の内に強く惹かれてしまうことにも、この高配当株投資法と同根の問題があるように感じてもいます。日本人の多くが持つ 「不安遺伝子」 がそうさせるのでしょうか?(続く)