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みこのうち 2番館

みこのうち 2番館

産後編


生命の神秘・産後編

子供を産むって事は、ものすご~~~く痛くて、すんげ~~~大変な事です。

産んでしまったら、それで終わり、でもないのです。
看護婦さんに「注意一秒、子は一生」と言われた事がありますが、
その前に、妊婦→産婦に移るそのちょっとした間に
世にも恐ろしい事が、時々待ち受けているのです。

ワタクシの場合、出産に掛かった時間は(母子手帳に書かれますが)
ちい姉さんは4時間半、まあちゃんは1時間、こうくんは1時間40分。
これは、かなり安産で、スピード出産です。
普通は6時間~12時間。24時間(丸1日)かかる人もいます。
ですから、出産が終わった後は、幽体離脱、手も足も力が入らなくて脱力状態、でも意識の方は異常に冴えてしまって興奮気味。
そんな感じです。
ワタクシの場合は、出産が早すぎて、疲労困憊はまぬがれましたが、
疲れなかった代わりに、赤ちゃんの通る産道およびオマタの割れ目が、その早さについて行けず・・・
・・・裂けまくり・・なのでした。

こうくんの出産後、先生が
「ありゃ~~~けっこう裂けたね~~~」
と、子供がふざけてて障子を破ったかの様に、
簡単に、しかもちょっと面白そうに・・おっしゃいました。

「今は取りあえず、縫っときますけど・・もう一回、院長先生に診察してもらいましょうね~」
・・・取りあえず縫っとくって・・・どう言うこってす?・・・
・・・ワタクシがこの先も、一応女として生存できる程度には修復しといて下さい・・
幽体離脱の状態だったので、口には出せませんでしたが。

で、こうくん出産後、3日経って、
「桜小路さん(仮名)、院長先生の診察です~」
ワタクシの入院していた総合病院は、産婦人科の先生が院長先生でございました。

「ん~~~、ちょっと、裂け過ぎたみたいやから~~~
もう一回縫い直した方がいいかな?」
・・・はあ?・・・縫い直すって、あーた!雑巾やなんかとお間違えでは?これでもワタクシとしー様にとっては大事なもんなんですがね?・・・
おっと、失礼
「じゃあ、旦那さんに連絡して、手術の同意書にサインしてもらって下さい」
看護婦さんも「こんなことはよくある事ですよ~」なんてナイチンゲールの微笑みを浮かべ、さらっと言ってのけます。

そうして、産後4日目にオマタの手術を受けました。
旦那のしー様は、「ちょっと多めに、一針くらい余分に縫っといて下さい。アハハハ」
などと、タマゴクラブだか、バルーン(妊婦さん雑誌)だかに載っていそうな
よくあるジョークをかまして、先生に冷視されてました。

手術は・・・
院長先生、産婦人科の先生3人、整形外科の先生2人、麻酔科の先生1人、看護婦さん2人の9人で・・・
今なら「白い巨塔」の撮影現場のような、異様な雰囲気の中、始まりました。
下半身麻酔なので、オマタおっぴろげのままでも、意識はあります。
看護婦さんは「大丈夫ですよ~リラックスして下さい~」
緊張しないように話しかけてきます。
・・・リラックスですか?もしもあなただったら、出来ますか?・・・

9人の先生方、看護婦さん方に、オマタおっぴろげながら
・・・ワタクシ何か悪いことしましたか?教えてください・・・

そうして、無事手術が終わり、
「あら?桜小路さん?泣いてるんですか?もう終わりましたよ。大丈夫ですよ。心配ないですからね。」
看護婦さんが優しく涙を拭いてくれました。
・・・情けなくて涙が出てます・・・ワタクシ・・・

「ああ!旦那さん!無事済みましたよ。ほっほっほ。
一針多めに縫っときました。ほっほっほっ」
院長先生のお言葉に、
「いや~ありがとうございます。」ぺこっ(しー様頭を下げる)
・・・ああ・・情けない・・・おめーは、あの屈辱死んでもわかんね~だろ!・・・
と、思いつつも、あまりの情けなさで、再び幽体離脱が起こってしまい、口もきけませんでした。

そんなこんなで、こうくんの出産後、
通常なら4日程度で退院できるはずが1週間かかりました。
そして、お見舞いに来てくれた人達や、友達に電話しては
どうして入院が長引いたのか、
これを説明するたびに、情けない思いがこみ上げて、たびたび幽体離脱をおこして、どこかに行ってしまいました。

今はまだ、出産の経験のない、小学生、中学生、高校生、独身のお嬢様方、
この先、多分一生、出産の予定のない男性諸君。

出産はものすご~~~く痛くて、すんげ~~~大変な事です。
しかも産んだ後も、(ワタクシの場合)かなり情けなかったりします。
今でも、あの光景を思い出すと、魂がどっかあっちの方に
飛んで行ったりします。



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