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カテゴリ:碁
楽観 白は72とすぐここを動いてきた。いささか重い気がしなくもない。こう打たれると黒73とトビたくなる。右下との間を裂いて当然のように思えるが、これが天頂一流のワナだった。白74―。来た!狙いすました必殺のノゾキ…。いまトンだばかりの石と左方の三子の両方と連絡することは不可能である。黒75は決断の一手。白76とオサエこまれて下辺は白の手中に帰した。しかし黒77、79とハネツギを決めて下辺は捨て、隅にもぐりこめばバランスをとれると思っていた。ここで白80―。こうハザマをあけられると出たくなる。しかしまた罠かもしれない。だがここは出ておいた方がいいだろう。ええいとばかりに黒81。対する白は82だった。こう打つ調子を求めたのか。脅かしやがって、とばかりに黒83と予定通り三々に入る。天頂は白84と黒85を交換してから、86と下辺を取りきった。 続く黒87は大きいツメ。下辺で少々ミスはしたがここまで乱戦で大ダメージを受けることもなく、大きなモヨウも出現していない。黒は着実に地を稼ぎ、弱い石もない。まずは作戦勝ちではないか―こんな風に考えていた。しかし、これがとんでもない楽観だったことは、すぐに証明されることになる。 白88、90ツケノビに黒91とツキアタったとき、白92とハネ一本から94に手を戻したのが軽妙な手順だった。黒はよろこんで95以下カミ取る。たしかにこのカミ取りは小さくない。あとにヨセのねらいも残る。しかしそれほど大したねらいではない。白96とアテて先手をとられ、98とぐるりと連絡され、こうしてみるとなんとなく中央が白っぽい。 ここで― <参考図1> <参考図1>の黒1と、中央の囲いを急がなければならなかった。一方の白の中地はそうそうつかない。白2には黒3でしっかり止まっている。 実戦は黒99―。アマシにいった手だがすましすぎ。ここからまたしても白の好手順を喫することになる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.05.12 22:30:42
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