魔婆斗vs「天頂の囲碁2」初対決・第7譜
天頂ゆるむ前譜黒57、59は、右辺の白一段へプレッシャーをかけたつもりだったが、天頂はここに手なしと見て、白60と中央を固めにきた。その瞬間、黒61がこちらでのねらいの一手。白62が余儀なく、黒63と一子をカカエて中央を値切った。ここの白地がみるみる減り、だいぶ追い上げたと思った。白60では、61にツイでゲーム・セットを宣するべきではなかったか。とはいえ白66以下の先手ヨセが大きく、ここにまわってはやはり形勢は不動のものだろう。…と思ったが、ここを決めたため、右辺が味悪になり、後にちょっとした波乱が起こる。白72は不要の一手。こういうところは、前作と同じ悪い癖だ。細かい碁になればやはりつけいる隙はありそうだ。細かくなればの話だが。黒73が打てては、また中央に食い込む余地ができた。白74もしかたない。右上黒75、77の両先手ハネツギを決めて、一転して黒79とダメをつめていったのがねらいの筋で、白82を待って黒83とトビコんだ。白84に黒85で「どうだ」。しかし天頂は平然と(?)白86に戻り、黒87に88の一撃を飛ばしてきた。手か?実はこの点は前譜からなんとなく気味の悪いところで、対局中はまったく気づいていなかったが、棋譜にしてみるとなんともいやなところをつくったものである。だが、しばらくヨンで、黒89と応じて大丈夫だとわかった。以下、黒93まで必然だが、ここで白から95に切る手がない。切れば黒94で左上の白がアタリになり、さらにF-18にノビても黒G-18に出て、6子取りとJ-18が見合いである。かくて黒95につながり、虎口を脱した。しかもなお、中央が味が悪く、白96が省けない。まだ大差だが、一時はあれだけ形勢が開いていたことを思えば、相当追い上げただろう。本譜白60の方向ミス、そして白72のゆるみが大きかった。もうほとんど打つところは残っていないが、まだ勝負を捨ててはいない。黒97から99と先手で決めて、いよいよ最後の決戦に望みを託す。