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カテゴリ:女子大生って…
ある女子大生のお話。
そこの女子大では、週にひとコマ、朝一番の時間に、体育の授業が行われておりました。 必修科目なので、単位を落とすわけにはいきません。 しかも「体育」ということで、欠席が多いと、単位がもらえません。 そのうえ出席をとる目的で、毎回授業の前に、10分間の縄跳びが課せられておりました。 ほとんど運動なんてしない女子大生にとって、この10分間の縄跳びは、相当きついのでございます。 ある日のこと。 「ううっ。気持ちが悪いー。」 「まあ、なにごとですの?」 「大丈夫ですか?」 あるお方が、随分気分を悪くされていました。 心配して、まわりに集まる方々。 「お休みになれば、よろしかったのに。」 「いいえ、これ以上欠席できませんので…無理をしてまいりました。」 「でも、それじゃ縄跳びなんてできませんわね。」 「代わってさしあげても、よろしくてよ。」 おやさしい方々、なんとか彼女を助けてあげたいと、あれこれ考えておりました。 「保健室へ行きますか?それなら、欠席にならないかも…。」 「保健室?…いえいえ、保健室なんてとんでもない。」 「…?」 よく事情が飲み込めない方々の隣で、ふふ…と笑われるお友達。 「保健室に行けない事情が、ございますのよ。」 「行けない事情…?」 「何でしょう?」 「さあ…?」 真っ青なお顔で、座り込んでしまった方の代わりに、お友達がご説明を。 「この方ったら、朝までお酒を召し上がってらしたのよ。」 「朝まで?」 「ええ。別のお友達とふたりで、『○○○黒』を一本空けられたのですわ。」 「おおーっ。」 『○○○黒』が何なのか、よく分からないまでも、それが凄いことなのだという事は、まわりの方々にも伝わったようです。 「そういうことでしたの。」 「心配することは、ございませんでしたね。」 「しょうがないですわね。」 原因が二日酔いだと分かった方々、まるで何事も無かったかのように、無情にも去って行ってしまわれました。 「ああーっ。わたくしを見捨てないでー。」 たとえみなさんに見放されても、彼女はこれから縄を跳ばなくてはいけないのです。 10分間も…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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