|
カテゴリ:高校生のころ
私が通っていた高校には、「応援歌練習会」と称する、高校応援歌の早朝練習会がありました。
春、1,2年生を対象に、1年生は2日間、2年生は1日間、始業時間の前1時間行います。 指導にあたる応援団は、3年生の男子で結成されているのですが、普段から応援団というものが存在しているわけではなく、その時だけ結成される、いわば“2日間限りの応援団”です。 この応援団の方々、下級生から見ると怖いのですよ。 特に1年生には、とってもとーっても怖く感じられて、女子の中には、校門で挨拶をさせられる時点で、泣いてしまう子もいたりして…かわいそうに。 えっ、私…ですか? 私はそんな泣くなんて…あれ?…そ、その、世の中には「世渡り上手」という言葉もありますように…上手くその場を…おや?。 …どうして私のところには、余計な情報ばっかり舞い込んでくるのでしょうねぇ。 ま、そんなどうでもいい裏話は置いといて。 2年生になれば、もうすっかり慣れてしまって…というより、3年生の年齢が近くなるから、大して怖くないのですよね、これが。 えっ、私だけじゃないかって? いやいやいやいやいや、そんなことはございませんでしょう。 とにかく、たった一日のことですから、その日をこう上手く誤魔化し…いえいえ、乗り切ってしまえばよいのです。 で、2年生のその日。 校門での体育会系のご挨拶も難なく合格したし、あとは昇降口で上履きに履き替えて……しまった…名前が…書いてない…。 しかも、目の前には応援団の方々が。 そうです。ここでもう一度ご挨拶があることを、すっかり忘れていたのです。 こういう時は、うろたえてはいけません。 何事も無かったかのように堂々とご挨拶をすると、意外にも……なーんて上手くいくわけないですよね。 案の定、上履きに名前が書いてないのを、見付かってしまいました。 「おい、上履きの名前はどうした。」 「はいっ。これから教室に行って書きます、先輩 ![]() 「うっ。…よ…よし。…行ってよし。」 「はいー ![]() 『行っていい』と言われたからには、こんなところに用はありません。 すたこらさっさと鞄を持って、逃げるように階段を駆け上がって…と、後ろの方でなにやら声が…。 「お、おい。待て。」 えっ?…何か聞こえたような気がしますが…幻聴、幻聴。 その後、私に合格を出した先輩がどうなったかは、定かではありません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[高校生のころ] カテゴリの最新記事
|