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カテゴリ:小学生のころ
小学生のころ…私には忘れられない思い出があります。
あれは小学校5年生のとき。 掃除の時間。 私の当番になっていたのは、教室の廊下。 モップを使って、つるつるの廊下掃除をしていました。 隣のクラスは、6年生。 担任の先生は、以前私の姉の担任をされていた男性教師。 まんざら、知らない先生ではありません。 普段はやさしいのですが、怒るとちょっと怖い。 その先生が、6年生の教室から顔を出して、何故か私がモップがけしているのを、じっとご覧になっていたのです。 緊張する私。 モップがけが終わって、教室に入ろうとしたとき、後ろから声をかけられました。 「おいおい。」 「はい。」 「おまえのモップがけは、なんか変だな。」 「へ?」 いきなり言われて、驚いてしまいました。 私はきちんと、それこそきちんときちんと、隣のクラスとの境目を綺麗に直線で分けて、隅から隅までモップがけをしたつもり。 …どうもそれが、先生には気になられたご様子。 私の持っていたモップを手にとって、こうおっしゃいました。 「廊下の掃除をするときはなあ…。」 「ふむふむ。」 「こうやって、こうやってするんだよ。」 そう言いながら、隣のクラスまで大きくはみ出して、モップがけをなさる先生。 「あ…。」 先生がおっしゃったことは当たり前のことだと思われるかもしれませんが、当時の私には目から鱗でした。 隣のクラスに介入してはいけないのではないかと、相当気を使って掃除をしていた私。 根本から間違っていたのですね。 何気ない出来事でしたが、まだ幼かった私には衝撃的な出来事でした。 教えてくださった先生は、一瞬にして私の中で、“尊敬する先生”になってしまいました。 …ですが残念なことに、その先生、それから何年か経って、亡くなられてしまったのです。 癌でした。 たくさんの生徒に慕われていた先生でした。 一生の中で、心に残る先生に出会うことって、いったいどれくらいあるのでしょう…。 忘れられない思い出です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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