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カテゴリ:中学生のころ
3泊4日の修学旅行を終えて、しばらく経ったある日。
廊下に、修学旅行の写真が貼り出されました。 それぞれに番号が付いていて、欲しい写真を申し込むことになっています。 6クラス分の写真となると、その数も半端じゃありません。 「うー、疲れる。」 「もう何が何だか…。」 そこへ、後ろから呼びかける人が。 「ねえねえ。」 「はい?」 「悪いんだけど、この写真もう一枚買ってもらえない?」 「は?」 指差された写真をよくよく見ると、それは、私とある男の子とのツーショット。 なんだこれ。 しかも何でツーショット? 写真屋さんが、面白がって撮ったとしか思えない。 「この子の写真が欲しいんだけど、彼女が恥ずかしくて買えないって…。」 「ええっ。」 視線の先には、期待に満ち満ちた同級生の姿が。 へえー。 そうなんだあ。 でも私が二枚買ったら、ますます怪しくないですか? …なんて意地悪なことは言いません。 「いいよ。」 快く返事をすると、すかさずそのお友達、私に聞いてきます。 「どうしてこんなに仲がいいの?どういう関係?」 「はあ?」 突然そんなこと聞かれて、私は一体なんて答えればよろしいの? 確かにその写真、とっても仲良く二人が話しているように、見えないこともありません。 ですが、はっきり言いますが、彼が一方的に喋ってるだけで、別に私と話してるわけじゃありませんから…。 うーん。 それにしても、彼は随分かっこよく写ってます。 これってもしかしたら、彼女が買ったあと、はさみで切られて、私の部分を捨てられる…とかじゃないよね。 なーんて、いろんなことを考えた末。 「なんの関係もありません。」 「あ、よかった。」 嬉しそうに去っていく方々。 よかった…って。 他に言い方はないの? 写真、買ってあげないわよ。 ふふん。もうちょっと、意味ありげな答え方をしとけばよかった…。 その時、私の心の中の悪魔がつぶやいたのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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