貴重な夏の体験
夏になると、海水浴が何よりの楽しみだった小学生の頃。海…といっても、泳ぐわけではなくて。ただ浮き輪を持ってプカプカ浮いているだけ。日本海は夏でも、ところどころ冷たい海水が入り込んでいて。突然足元が冷たくなって、びっくりすることが。ある日のこと。いつものように、浮き輪でプカプカ浮いていると。少し離れたところで、親子がキャーキャー言ってる。とんでもなく楽しそうだと思って見ていたらば。「助けて…。」ん?かすかだけど、そう聞こえたような。「ふざけてるんじゃないんだ。助けてくれえ。」はい?まさか、溺れてるんじゃ…。おおう。じゃれているのかと思ったら、違うんだ。慌てて、近くにいた大人の人に声を掛けて。何人かの人が集まってきた。浮き輪を投げて…手を繋ぎ合って長い列を作って…。必死でその親子を助けたのです。はあああ、びっくりした。経験のある方は、よくお分かりになると思いますが。海水浴場などでは、溺れている人が分からない。一見、遊んでいるように見えてしまうのですから…ちょっと怖いですね。それからというもの。海へ行く時は必ず浮き輪…というのが決まりになってしまったのです。