続・応援歌練習会編
私が通っていた高校では、春になって新入生が入ってくると、1,2年生を対象にした『応援歌練習会』が行われます…というお話は、以前いたしました。今日は、その応援歌練習会に臨むまでの苦労話を…。我が母校には、校歌の他に応援歌と呼ばれるものが2つあって、応援歌練習会当日までに、この3つを完全に覚えておかなければなりません。当日ちょっとでも間違えようものならあなた…。「誰だ、誰だ、誰だ。」と、まわりをぐるぐる回っている応援団の方々に、あっという間に囲まれて、とんでもなく怖ろしい目に会ってしまうのです。なので皆…特に1年生は、覚えるのに必死です。ところがですねぇ…。世の中、そう甘くはないのですよ。この応援歌というもの、どこにも歌詞が書いてないのです。校歌は当然、生徒手帳に載ってます。でも応援歌は、生徒手帳のどこを探してもないのです。「え?…どうすればいいの。」「さあ。」「応援歌って知ってる?」「知らない。」困っていたところに、突然放送が。なにやら男性の集団が、叫んでいるようですが…まさか。「もしかしたら、応援歌?」「…みたいね。」えっ、えっ、ええーっ。まさか、これを聴いて覚えろと…。何を言ってるのか、全然分からないんですけど。1週間、お昼休みに流れる放送。どうもそれだけで覚えなければいけないようで。…これも、長く受け継がれてきた伝統なのだそうです。「もうちょっと、どうにかならないのかしらねえ。」「全然聞き取れないし。」そこへ、天の助けの一枚の紙が、舞い込んできました。教室の後ろに、応援歌の歌詞が書かれた紙が、たった一枚貼り出されたのです。しかも、とてつもなく字が汚い…。「うー。何て書いてあるのか、全然分からないー。」判別不能な記号が書かれた紙と、リスニングの試験よりも難しい超音質の悪い放送…それだけが頼りの応援歌。ああでもない、こうでもないと、額を寄せ合う新入生。古い応援歌なので、言葉遣いも難しくて、とっても大変な作業なのですよ。だいたいですねぇ『奔流雲を呼ぶぞかし』とか、古典の世界ですよねぇ。意味さえも分からーん。ちなみに、母校のホームページを検索してみました。この時代、応援歌の歌詞ぐらいは載ってるでしょう…と思ったら、やっぱり載ってないのね。代わりに『応援歌が聴けます』というボタンがあったので、ポチッと押してみたら…。あー、やっぱり分からないー。この徹底ぶりは、いったいどこまで…。生徒も生徒なら、学校も学校でしょう。…敢えて言いますが、私は好きですよ。