「DAISYとは?」その2
Milkywayです。お元気ですか? 20220806前回のブログはDAISY化された電子図書のことを書いた。その後質問をいただいたのでもう少し書いてみる。DAISYとは、Digital Accessible Information Systemの略で、障がいのある方々への読書を援助するデジタル図書規格のこと。デジタル録音図書の国際標準規格になっていて、現在70カ国以上の会員団体で構成するデイジーコンソーシアム(本部スイス)によって、その開発と維持が行なわれている。DAISY図書のカテゴリーは、音声デイジー、テキストデイジー、音声とテキストと画像の機能を複合的に使ったマルチメディアデイジーがある。このDAISY図書が有効な障害の対象は、視覚障害だけではなく、聴覚障害、ディスレクシア、パーキンソン病、学習障害、知的障害、精神障害、発達障害、上肢障害、いわゆる「寝たきり」の状態の方、一過性の障害、入院患者、その他図書館が認めた読書に困難がある人など、そのカバー範囲は非常に広範だ。 【DAISYについてのわかりやすいビデオ2つ】DAISYがどういうものかがわかる日本語字幕付きのビデオを2つ紹介する。もし日本語字幕が出なかったら、次の手順で試してみて欲しい。まず、設定 → 字幕 → 自動翻訳 → 日本語の順で設定をすると日本語になる。1 《Daisy - Digital Talking Books》これはドイツで使われている音声DAISY本とDAISYプレイヤーの紹介。https://www.youtube.com/watch?v=mZAS3sMSH_82. 《What are DAISY talking books? 》このビデオは分かりやすい。https://www.youtube.com/watch?v=v9-HvSpzPvI【DAISYのあゆみ】このすばらしいDAISY規格電子図書の主な推進元は、日本障害者リハビリテーション協会の「デイジー情報センター」。ここが中心になってDAISY規格図書の普及をしている。まず、1999年に厚生省から予算がつき、その予算でデイジー製作システムと再生機、合計2,580タイトルのデイジー図書と601タイトルの法令を、全国の視覚障害者情報提供施設等に提供し、デイジー図書を全国に普及させる礎を築いた。その後も着々とマルチメディアデイジー教科書や図書の普及を精力的に継続している。さて、DAISY規格の電子図書を読むにはどうしたら良いのか?サピエ図書館にアクセスである。【サピエ図書館】DAISY規格による図書を包括的に提供しているのは、国内ではサピエ図書館である。サピエは、視覚障害者をはじめ、文字を読むことが困難な人々に対して、様々な情報を点字、音声データなどで提供するネットワークをいうが、サピエ図書館はこのサピエのメインサービスである。サピエ図書館の点字図書・録音図書の書誌(本を探すための情報)が76万件もある。さらに、サピエ図書館の蔵書内容とその数は、点字DAISY 22万9千音声デイジー約10万テキストデイジー約1万マルチメディア・デイジー約320(これは増加中)の、計約34万タイトルもある。 出典:『図書館利用に障害のある人々へのサービス 上』p132~135-【DAISYシステムを開発したのは実は日本人】詳しいことは下記「日本DAISYコンソーシアムThe DAISY Consortium(https://daisy.org)を読んでいただたい。ここの副理事長の河村宏先生が、この世界基準DAISYシステムの実際の開発者なのだ。河村宏さんとはどのような方なのか?2013年国連総会「障害と開発に関するハイレベル会合」での講演内容が、国際連合広報センターのウェブサイトに掲載されているので、読んでいただきたい。https://www.unic.or.jp/activities/international_observances/hr_day_2013/kawamura/その活動の先進さと広範さ、そしてその成果については次のブログで書く。