2008/05/01(木)12:04
合格しても、行かない、という選択(2)
昨日の続き…
Mちゃんは、W君とは別の大手進学教室に2年間通い、
御三家より少し下の□を第一志望校としていた。
合格判定テストの結果も上々、物怖じしない本番に強いタイプだったので、
私も内心、合格を確信していた。
ところが、まさかの不合格。
発表の翌日、私の教室に来たMちゃんは、
「先生、何で落ちちゃったのかなぁ」と
本人も納得がいかないのか、
いつもの明るい笑顔が見られず可哀想だった。
ところが、翌週、明るい顔で表れ、
「先生、私、合格した学校には行かないで
公立の中学で一生懸命勉強して□より偏差値のいい高校に行く!
英語もがんばるから。」
□は、高校からの募集はしていないので、
高校の偏差値は公表されていないのだが…
「それでこそ M。そうだね、高校受験には英語があるから、有利だね。」
この日からMちゃんの、負けるもんかパワーが炸裂!
近区の評判の高い公立中学に越境入学し
3年間、部活でも活躍し、成績も常に学年トップ3の位置をキープ。
結局、都立の上位校に推薦で合格し、
難関私立大学へと進学、弁護士を目指している。
今年も、第一志望以外の私立中学に合格しても
高校で再度その学校にチャレンジしたいと
合格している中学には行かなかった生徒がいる。
合格しても行かない、という生徒たちには、共通点がある。
それは、どうして、その学校に行きたいか、という
しっかりとした意志を自分で持って受験に臨んでいる。
そして、その裏には、志望校選択の時期に、
どうしても行きたい学校でなければ、行かせない。
と、親御さんがはっきりと子供に伝えていることだ。
合格できる「行ける」学校選びではなく、
しっかり動機付けされた「学びたい」学校選びが
合格後の中だるみを産まない鍵なのかもしれないと思う。
高校受験、大学受験を経験することで、
大きく成長していく生徒達を見ていると
受験は、決してマイナス面だけではないと思う。
果たして、受験をしなくていい、という選択が
本当に子供にとってプラスの選択なのだろうか。
正しいか、間違っていたのか、
答えのない選択だからこそ難しい。
しかし、再チャレンジする機会がないわけではない。
子供の成長に応じて、柔軟に対応する道を示してあげる事も
親御さんにしか、できないことだと思う。