2008/07/02(水)13:51
なまけものに効く薬? - それぞれの夏期講習
一昨日は、朝から、夜まで中学受験生と元受験生に振り回された。
まず、朝イチで中学受験生の息子を持つ知人から
「今朝、登校前の勉強時間にゲームをやっていた息子を見て、夫が
受験生の今、自分から進んで勉強できない奴が中学に入って
勉強するとは思えないから、中学受験はさせない。
塾にも行かなくていい。
と、言って会社に行ってしまった。どうしよう」とメールが来た。
彼女の旦那さんも知人なので、とりあえず息子の気持ちを尋ねてから
夜、旦那さんとも話しをすると返事をした。
そして、夕方、私立中学入学後、とにかく勉強せずゲームばかりしている
中2の生徒のお母さんが教室に夏期講習について相談に来た。
なんでも学校の英語の先生に、
他の教科も悪いですが、
英語はできるのに、単語を覚えていない今の状況は、
覚える努力、勉強をしていないと判断せざるを得ず、
このままでは、高等部への進学会議にひっかかり、
進学できないかもしれません。
と言われたので、夏期講習で単語のテストをやって欲しいと言う。
私の教室では、単語は、自分で覚えようとすれば必ずできるので、
お金をもらってやることではない、と考え
個別レッスンでは、リクエストがあれば行うが、
通常レッスンでは、単語のテストを行っていない。
8割を忘れてしまったということは、
機械的に単語の綴りと意味だけを表面的に覚え、
定着していないことが原因だと考えられるので、
担当講師と相談して、その単語を使用した例文を正しく書かせるという
定着までのステップで取り組むことにした。
夜、レッスンが終わった後、知人宅に電話を入れ、
まず息子と話しをする。
「あなたは、行きたい中学校があるの?」
「○○」彼が住む県のトップ校の名前を言う。
「どうして、その学校へ行きたいの?」
「いい大学にいけるから。」
「○○に入ったからと言って、いい大学にいけるとは限らないよ。
今年だって卒業生全員が、いい大学と言われている大学に入ったわけじゃないし。
じゃぁ、もし○○に合格しなかったらどうするの?」
「5つくらい受けるから、受かったところに行く」
「いい大学にいける学校でなくても?」
「公立の中学に行くよりましでしょ?」
「どこに行っても、あなた次第でしょ。
自分で中学受験をしたいと言ったのに
どうして勉強しないで、隠れてゲームしてたの?」
「ちょっと休憩のつもりでやっていたら…お父さんに見つかった。」
「ゲーム機は自分の?」
「自分のDSはお母さんに取り上げられて、
日曜日にしかできないから、学校の友達に借りた。」
そう、ゲーム機を取り上げたところで
やろうと思えば、友達のを借りてでもやる。
合格という目の前に大きな目標があるにもかかわらず
ゲームをしたいから、友達に借りてまでする、というのでは、
入学後、ゲーム三昧の生活になる可能性は高い。
彼の今の成績では、彼が行きたいと言っている○○はとても無理だが、
塾で勉強さえしていれば、どこかには入れるという彼なりの計算があるのだろう。
「あなたは中学受験をしたいのよね?」
「うん、まぁ。」
「そう。じゃぁお父さんにかわってくれる?」
「遅い時間まで、悪いな。」
「大丈夫。奥さんがつきっきりになってやれば、
○○は無理でも、その次くらいの学校には入れるかもしれないけど
止めてしまっていいの?」
「そんなことして入ったところで、その先、ずっとそれで通ると思ってしまう。
目的に向かって自分で努力することが、できなければダメだということを
教えて、自分で努力して目的を達成する喜びも教えてやりたいしな。
どんな中学に行こうとも、本人がやる気になれば東大だって行けるだろう。
あっ、俺とかみさんの子だから、東大はないな」と大声で笑った。
受験を止めてしまえば、朝から晩まで勉強する夏期講習に参加する必要もなく、
親子でキャンプに行き、釣りを楽しみ、ゆっくり話し合いたいと言う。
御三家と言われる学校の中学に入ったもの
全く勉強をしなくなった為に内部進学ができず、
私大の付属高に入学して、勉強をしないまま、
付属の大学に進学した子の話しを耳にした。
その子のお母さんは、中学からそのまま高校に進学していたら、
その大学にはとても入れなかったので、
付属高に変えてよかったと言っているそうだが、
私は、目的に向かって、自分で努力する喜びをしらないまま
大人になって社会に出ていくその子が、可哀想に思えた。