夢先生の玉手箱-annex

2008/09/13(土)08:08

せきたてられる子どもたち と彼らが背負うツケ

20年前、修業時代に読み聞かせを習った時に読んだ本を 今、再び読み返している。 驚くことに24年前に出版されていた本に アメリカの小児科医であるブレイズルトン氏の言葉として 「私の医院に来る子供たちの中に、3歳半か4歳で、  すでに辞書を読み、4歳までにはみごとに読んだり、  タイプを打ったりする能力を身につけている子どもたちがいました。  しかし、その子どもたちは、その後たいへん辛い経験をすることになりました。  小学校も1年生のときは成績もよく問題はなかったのですが  2年生になって大きくつまずいたのです。  私は、これらの子供たちは早く字が読めるようにと  外からむやみにせきたてられたため、  そのつけがあとになってあらわれたのではないか  と感じています。」 と書かれていた。 このブレイズルトン医師の言葉をどう受け取るかは、人それぞれだろう。 でも私は、20年以上、多くの子どもたちの成長に係わってきた 小児科医としての彼の言葉に、私が子どもたちと係わってきたなかで 感じているひっかかりが杞憂ではないと感じた。 これは、長期間子どもたちの成長に係わっていなかった 経験の乏しい修業時代に、初めてこの本を読んだ時には感じなかったことだ。 そして読み進めていくと はっきりツケについて記述されていた。 それはまさに私が漠然と感じていたことだった。 このブレイズルトン医師の言葉を読んで、 早く英語が話せるようにと外からせきたてられる子どもたち 聞き流し、掛け流しと英語漬けにされている子どもたちが 頭に浮かんだ。 これらの「せきたてられる子どもたち」は 成績至上主義症候群の親 =教育に知育ばかり求めがちな親と教育者が 作り出している。 とも書かれている。 形成期の子どもたちの学習が強制的であってはならないのは、 教育学、心理学の分野の研究によって明らかにされている。 講師が、たとえ遊びという手法を使っても 早く○○ができるように、と考え、 子どもの発育を無視して誘導することも 子どもをせきたてていることに違いない。 せきたてられた子どもたちが負わされるツケ 杞憂が杞憂ではない、ということがわかった今、 今まで以上に気をつけなければならないと思った。 これを機会に、昔読んだ教育関連の本を もう一度読み返してみようと思った。 今なら読み取れる作者の意図があるかもしれない。

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