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カテゴリ:会計・仕事
今日は最近新聞紙上をにぎわしていた、「三位一体改革」について勉強してみようと思います。
そもそも自分は何にも理解していないのですが、「三位」って何が3つあるんだろう?という素朴な疑問がありました。それについて辻雅之さんの解説では、 (1)国庫支出金を減らす。 (2)地方交付税を見直す。 (3)税源を地方に移譲する。 ・・・・・これをいっぺんにやって、地方分権をすすめる。 でも一体何がそれほどの論点になっているのだろうか??調べてみました。 国庫支出金と地方交付税は、いずれも国から地方自治体に支給されるものですが、国庫支出金が用途が指定される補助金であるのに対し、地方交付金は用途が指定されていない補助金です。この2つの補助金により、地方自治体の財源の30%くらいが占められています。裏を返せば、地方自治体にとっては台所事情に重要な影響を与えるものですね。 (1)の国庫支出金は、地方がこれをもらうためには、地方が国に「こういう事業のためにお金を出して下さい」とお願いしてもらう仕組みになっています。そのため、中央官庁や政治家の裁量や、もっというと感情で地方の事業ができるかどうか決まってしまうことがあるようです。政治家の中には、「野党に議席をやったらおまえの自治体には補助金をやらん」とか公言する人もいるようです。 (2)の地方交付税での論点は、地方交付税という形で自由に使える税金がやってくるため、「地方が努力しなくなる」ということです。本来、地方自治の原則からいうと、過疎なら過疎で、税金が足りないなら足りないなりに、なにか地方が努力しなければならないのが原則です。しかし、地方交付税が毎年もらえるので、努力しなくてもお金が入ってくるようになっており、努力する自治体は、バカを見る仕組みになっています。いくら努力しても、努力しない自治体にもお金が同じように入ってくるわけです。 しかし、国庫支出金や地方交付税を減らしても、地方税だけでは地方財政が足りません。そこで、補助金として国から渡すお金を、地方で税金としてとれるように、国が徴集している税金を地方が徴集するようにしようじゃないか、ということがいわれるようになりました。これが(3)の「税源移譲」の論点につながるわけですね。 では三位一体改革がうまくいかないのはどのあたりに原因があるのでしょうか? まず、国庫支出金を与える権限を持つ各中央官庁が反対します。道路だったら国土交通省、福祉政策だったら厚生労働省などが国庫支出金を与える権限を持っているわけですが、この権限を残しておきたい。地方へのコントロール権を握っておきたいからです。地方への自分たちの縄張りを保っておきたいのですね。 そして、国の税金をできるだけ減らしたくないという意味で、税金担当の財務省が税源移譲に消極的です。国税がなくなれば、財務省の権限が、それだけなくなってしまうからです。税制の縄張りを、今のまま保っておきたいのです。 結果、どの官庁も、自分たちの権限を守るため、三位一体には消極的。そこでなかなか話が進まないのですね。そして、官庁は自分たちと利害をともにする族議員たちとつるんで、ますます三位一体改革を骨抜きにしようとしているわけです。 仮に三位一体改革が成功するとどのようなメリットがあるのでしょうか?? 税源移譲によって地方が自由にお金を使えるようになり、地方のことは地方できめるようになる。どこかに橋を作るとか、学校を作るとか、病院を作るとか、そういうことは地方が決める。高速道路なんかも、複数の県がお金を出しあって、作ることができるようになるかもしれません。 そうすると、今まで「この地方に道路を作るため頑張ります!」とかいって票を集めてきた国会議員はいらなくなる。自然と国会議員は、外交や防衛、国の根幹政策にかかわることを考え、法律を作ることに専念するようになる。 つまり、政権交代だ改革だなどと党中央ではいいながら、各議員たちは地方に利益をこれだけ与えますよ、という選挙がなくなるわけです。国会議員の選挙は、純粋に国家の基本政策を争点として、争われる選挙になるわけです。 なるほどー、今日はちょっと勉強になりました。国会議員が消極的になる理由がわかった気がします。 個人的には、地方分権はいいことだと思います。各都道府県が切磋琢磨していろいろな施策をめぐらせば、より良い行政サービスが実現できると思うからです。 自分の出身の長野も、大きな影響を受けるんだろうなー お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Dec 3, 2004 12:37:51 AM
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