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(いきなり、ショートショートです。
し、しかも、主人公はジョー・・・ これだけで、期待できねぇ、おとぎ話・・・) 「ここは故郷に似ている」 ジョーは低い夏草の土手に座ると、 小川を見つめて呟いた。 「しばらく帰ってないなぁ」 ジョーの後方から声が聞こえる。 振り返ると髪の長い女性型生命体だ。 そう、ここは同じ銀河系でも地球からは遠い。 「サ、サッちゃん!」 ジョーを見つめるこの星の生命体は、 ジョーの初恋の人にそっくりだった。 「恋」は不思議な作用がある。 どんなに異生物間でも、作用する力がある。 そして、恋の結界内に入るのに時間はいらない。 響きあう波動に言葉もいらない。 ただ「いる」だけで、二つ(二人)は融け合う。 ただ「いるだけ」で、二つ(二人)は幸せになる。 初めてのキスの時、彼女は戸惑ったようだった。 「これは僕の星では、愛の行為なんだ」 言葉が理解できたのか、彼女は嬉しそうだった。 何度も何度もキスを繰り返した。 そして二つが一つになるのも、自然の形だった。 しかし、彼女(?)は夕方になると慌てて帰る。 どんな事情があるのか、ジョーには解らない。 短い夜が明け、小ぶりの二つの太陽が昇る昼間になると、 いきなりジョーの後方に姿を現す日々が続いた。 お互い交わす言葉は通じ合わないが、 お互いの行為は何も言わなくても通じ合った。 深くて高い悦びの後、彼女の目からピンクの涙が流れた。 ジョーは唇ですくいとった。 甘い味がした。 彼女は・・・行為を理解したようだった。 とても、とても喜んだ。 また夕方になり、彼女は急いで帰ってしまう。 今日のジョーは基地に帰りたくなかった。 いつまでも小川の側に座っていた。 もうすぐ、地球に帰らなければならない。 調査はもう終りに近づいていたのだ。 それは彼女との別れを意味していた。 地球は異生物受け入れ不適合星だったからだ。 (この後、物語は急展開を迎える。 恋する二人の運命は! って・・・スピードもスリルも冒険も無ぇ・・・ これって・・・おとぎ話かぁ?・・・ やはり創作の才能も無ぇなぁ・・・ でも・・・明日に続くのだ・・・) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004/10/24 09:17:12 PM
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