水上陽平の独善世界

2006/01/23(月)21:50

H・5・1

  治療と癒しへの道 1  私が治療の道を歩き始めた動機に、母親の病気がありました。 検査しても異常が出ませんから原因不明です。 顔面や頭部に痛みがあるから三叉神経痛といわれました。 病気名でなく病状名です。 痛みを抑える方法として神経ブロックなどがあるそうですが、治癒するわけではありません。  痛みがあるのは常時ですが、時に、全く痛まない時があります。 一日痛まない日もあります。 そんな時の母親の顔は別人のように晴れやかな笑顔で、肌もツヤがあります。  人は変わる。苦しみから離れると、気持ちよく変わる。 その変わった姿は周りも嬉しくさせる。 嬉しさや幸せは伝染するものだ、と知りました。  後に、お師匠様となる故初代中川雅仁氏の治療風景で、多くの病み人がたちまち笑顔になり、人が変わる姿を見ることができました。 その変わる瞬間に立ち会うと、私の気持ちが躍動するのです。  「こういう場面に出会いたい」  「こういう場面にかかわりたい」  当時四十歳を過ぎていたのですが、どうしてもお師匠様のような治療師になりたいと思いました。 後先も考えず、そこからまっしぐらにお師匠様を追いかけました。  しかし、追いかけ始めて十ヶ月後、お師匠様は倒れるのです。  そして、三ヶ月後に復帰し、更に半年後、次の世界に旅立ちました。  必要だから次の世界に行ったのでしょう。次のステージが用意されたから、そこでまた活躍するのでしょう。 それは理屈でも感覚的にも納得できるのです。  でも、残って治療や教えを受けたい人達が沢山いたのも事実です。  故お師匠様のような人は多いようです。 優れた治療者ほど早く倒れる傾向があります。 その運命はその人が運びますから半分納得するのですが、半分は間違いがあるのではないか、とも思っています。  どんなに優れた人でも、所詮人です。間違いも勘違いもあると思っています。 その一つが「ヒーリングの仕組み」だと思っています。 優れているからこそ見落とす仕組みです。  私の方が至らないのは充分承知していますが、優れていないからこそ気づく事もあるようです。 ヒーリング能力の高さと、ヒーリングの仕組みを理解する事は別だと思っています。

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