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カルテ番号 ら・1(1) 「ごめんください」 その男性が治療院を訪ねたのは、夕方だった。 「はい。なんでしょうか?」 今日の予約は無かったはずだ。 「どうしてもお話を聞いていただきたくて来ました」 その切羽詰まった様子に、風間陽水は玄関を上がるように言った。 「突然の訪問を失礼します」 50代後半か60代と思われる、その男性は礼儀正しく深く頭を下げた。 テーブルを挟んで、椅子に座ると名刺を出した。 そこには、名前と電話番号だけが印刷されていた。 良知(らち) 泰山 陽水は名刺を見ながら言った。 「良知さんというと、確か静岡にある苗字だと思いましたが」 「そうです。らちという呼び方も静岡です。 申し遅れました。らち、たいざん、と申します。 静岡で、小さなお寺で務めさせていただいています」 綺麗に光っている頭部は、よく見ると脇に剃った跡がある。 仕事柄、毎日綺麗に剃髪しているのだろう。 「それで、ご用件は?」 どうやら、通常の心身の依頼ではなさそうだった。 着衣も僧衣ではなく、ネクタイはしていないが背広だった。 良知は少し黙ってから話し出した。 「実は、先生の事を知ったのは今日でした。 お名前を聞いた途端に、急にどうしてもお会いしたくなりました」 (登場する人物・組織・その他はフィックションです) HP「気の空間・氣功療法院」検索 ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい (過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。 治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。 ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」 誰か出版してくれぇ~) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016/11/17 07:16:02 PM
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