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南風一の世界

南風一の世界

2026/01/20
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カテゴリ:
  営団地下鉄(東西線)竹橋駅の思い出    南風一

今から約50年前私が大学生になって
東京に住むようになって
(東京といっても武蔵野の片田舎に過ぎなかったが)
神田の古本屋街を訪ねるとき
当時は営団地下鉄(東西線)と呼んでいた地下鉄の竹橋駅で
下車して
毎日新聞社の地下街を通って
外に出ると皇居のお堀があって首都高の竹橋入り口の前の横断歩道を通ると
右手に丸紅という商社が見えて
その角を曲がると神田一橋が見えて
まだ一橋講堂が残っていた

竹橋駅から出て神田一橋とは逆方向の右手へ行くと
東京近代美術館があった
たまにそちらの方を訪ねることもあった

地下鉄竹橋駅の地下街を歩いているときや
竹橋駅から外に出たときに感じた違和感は一種特別なものだった
当時は一介の大学生に過ぎないということもあったであろうが
そんなことより人ごみに塗れて多くの人たちの中の
一人に過ぎないという孤独感

まだ何者でもなく
東京という昼間人口1千万人の中の一人に過ぎない私という存在
沢山の街中を歩く人たちの中にあって
私の存在を見知っている人は一人もいないという絶望的な環境
そのくせ街を歩く人たちはサラリーマンにしろ
近くの住民にしろ彼らは仕事や生活という理由があって
せかせかと街中を忙しく歩いていく
他方で私は特に仕事や事業など何一つしていないし
竹橋駅界隈を歩いている人々の中で一番暇で取るに足りない人物に
過ぎないのではないか?
という絶望に似た疎外感

地方の田舎から東京の大学に入学して
神田界隈の古書店街を訪問するたびに感じた疎外感
66歳になって東京メトロ竹橋駅を訪ねることもなくなった
いつか竹橋駅を訪ねたら
まだ19歳の青二才に過ぎなかった私に出会えるかもしれない

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Last updated  2026/01/20 12:18:57 PM
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