お看経(おかんき)さん 南風一
今では実家の近所ではもうそういうものは
廃れてしまって
近頃はとんと聞いたことがない
私が小学生や中学生の頃は
まだ母親や祖母の世代が元気で
月に一回持ち回りで
お看経さんなるものをやって
般若心経を唱えていた
地域ぐるみで生活の中に
宗教が息づいていたということだろうか
地域の人々の行動様式というものを
宗教が指し示していた
今ではそんな他人のプライバシーに干渉するようなものは
消えてしまったと思いきや
なんのそれに代わるものがあった
それは「東大信仰」かな?
東大を目指せば救われる
何やら分からないけれど何か御利益がありそうだ
猫も杓子も東大を目指せと物心つかぬ内から
塾通いをさせる
子どものためなら
自分の職を投げ売っても構わない
そうして目出度く東大を出て官僚になって
国会で「記録がありません」と答弁して
国税庁長官になる
そういう道が開けているから
子どもを東大へ入学させねばならない
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