傾く首~モディリアーニの折れた絵筆~
ネタバレです出演:アメディオ・モディリアーニ/吉野圭吾 ジャンヌ・エビュテルヌ/内田亜希子 ハイム・スーチン/溝呂木賢 モーリス・ユトリロ/岩田翼 ルニア・チェホスカ/小野妃香里 レオポルド・ズブロフスキー/戸井勝海 『D~永遠という名の伝説』を観て、「荻田先生のは一回じゃあわからないのね」と、覚悟の観劇。 しかし、これは一度でも楽しめました。もちろん、また見たらもっと楽しめるのでしょうね。1時間40分一幕という短さ。劇中劇みたいのはないから、わかりやすいし。でも濃い。濃い濃い濃い濃い・・・・そして近いよ、赤坂RED THEATER180席ということで一体感はあり。吉野さんの細かくて丁寧なお芝居を観るには、この規模はステキ 物心ともに、モディを支える画商ズボ。でも、ズボは詩人をドロップアウトしていて、「売れるか否か」についてはシビア。モディのプロフィールに注目していて「絵ではない、彼の人生が絵の釣り書」。・・・厳しいお言葉です。風景しかかかないユトリロ。人物しかかかないモディ。でも現実は厳しく酒に逃げるユトリロ。酒にも薬にも逃げ切れないモディ。モディの揺らぎが重いです。現実的な幸せを求めるジャンヌ。愛情がないわけではないが、応えきれないことを分かっているモディ。自分の才能と成功を信じて邁進するスーチン。私のイチツボはルニアです。「免罪符のように金を渡しているのだ」とズボに批難されるけど、大人の女。かっこよくて、愛情深い。雨のダンスシーン(ハイムとジャンヌの芝居も重なるのだ)は・・・ 極上ーーーーーーーー ダンスはここだけだけど、ピンポイントで魅せてくれます何事もあらまほしきは良き先達。しかし、先を行く人の背負う重さは、凡人には耐えがたき程かと。静かに激しく悩みつつ、それを押して、キャンバスにもジャンヌにも向かおうとしたモディが痛々しい。けれど、これがモディの幸せなのね。起こったことはすべてモディの【家】ではなくて、モディの【アトリエ】。荻田先生は昨今宝塚をお辞めになられたとか。そう思いながらみると、また考えることもあり。私は「アンバランス」は見ていないので、「暗い日曜日」以来の吉野さんの主演作。もちろん、大満足こんな圭吾さんが、来年早々にはくるりとかわっちゃうんだもんなぁ。「スーザンを探して」の動画を観たときには、どひゃーーーっ でしたもん。「FEEL」の裏表紙もまた・・・・くっくっくっ脚本・演出/荻田浩一 美術/升平香織 照明/笠原俊幸音響/眞澤則子 衣裳/千佳 舞台監督/粟飯原和弘宣伝写真/村尾昌美 企画・製作/ジャンクション赤坂RED/THEATER