■11日
2時45分すぎ。会社。
立って話しをしていたら、近くで作業していた人が気付いた。
「…これは大きいのが来るよ。やばいやばい。来るよ!来るよ!!」
机の下にあるヘルメットを取り出して、もぐる。
みしみし。
べきべき。
机の引き出しが、フルでガラガラ開いたり閉まったり。
車輪のついたワゴンは右に左に。
死ぬかもしれない。
本当に、死ぬかもしれない。
百人ぐらいいるのに、誰も声を出すことができない。
がたがたという音だけがする。
机の上はぐちゃぐちゃ。
某所の棚はドミノのように倒れてる。
耐震対策してるはずなのに。あそこに誰か(含む自分)いたらと思うと…。
電話もメールもダメ。
窓からは、新幹線が止まって、公園に人が出てきているのが見える。
しばらくすると、首都高から車が消え、一般道が大渋滞。
歩いて帰るつもりで地図をコピー。
6時半すぎ。
母と電話がつながる。
余震に巻き込まれたら怖いし、寒いし、夜だし。
頼むから会社に泊まってくれと言われ、方針転換、お泊まり組みに加わることにする。
揺れが長い。
乗り物酔いのように気持ちが悪い。仕事にならない。
非常食のおこわが美味しく、ちょっとほっこり。
会議室に椅子を並べ、支給された毛布をかけて寝る。
ちょっとでも揺れるたびに目が覚める。
■12日
上司がカンテツで仕事を仕上げてくれた。こんな状況なのに。リスペクト。同時に自分の甘さが恥ずかしい。
万一に備えてヘルメットを持って家に向かう。7時から運行再開のはずのJRが全くダメ。しっかりしてくれ。
知り合いは大体無事。
家のなかは意外にもほぼ無傷。
テレビも食器棚もプリンターも、そのまま。
みんな頑張ってくれた。偉い。
気が緩んで爆睡。
テレビで被害の甚大さが見えるにつれ、茫然。
一体自分に何ができるのか?
ロウマくんのツイッターに元気をもらう。義くんにも。さんきゅ。
サンフランシスコ地震と阪神大震災のWサバイバーによると、余震は一ヶ月ぐらい続くらしい。長期戦で考えよう。
■13日
買い出し。
加工米、水、缶詰はほぼ売切れ。
名古屋、大阪、福岡は無傷なのだから、そんなに慌てなくてもいい…という声に納得して帰る。
大規模な余震の確率は70%。
備えは万全にして、今、自分が無事であることに心から感謝して。
また、明日から。