委員会(15日)の意見陳述全文です。
請求代表者として佐伯・三島が陳述に立ちましたが、佐伯分を■以下に全文記します。■上程されております議案第100号に関して、なぜ住民投票を求めているのか署名をした17291名の代表として意見を述べさせていただきます。一つは、計画の決定プロセスの問題です。市民参加・市民とのパートナーシップが声高に叫ばれていますが、今回の東村山駅西口地区再開発事業においてはこれらが実行されているとは到底思えません。市は節目節目において適宜市民説明会などを開催して市民に説明をしてきたと言っていますが、そのほとんどが一部地域あるいは特定の団体向けであり、参加者も決して多くはなかったと思います。このような方法は多くの市民の理解を得るために十分だったと言えるでしょうか。より多くの参加者を募る努力はなされたのでしょうか。15年2月の都市計画審議会の議事録をみても掘り下げた議論がなされたとはとても読み取れません。それまで中層ビルと高層ビルの両論併記であったものが、このときの審議会には100メートルビル計画のみが登場し、わずか1回の、2時間足らずの会議において決定されています。行政が作成した答申案に「YES」を与えるだけの審議会だったのです。「市報ひがしむらやま」平成16年5月15日号1面には「東村山駅西口地区再開発事業が始動」の記事が決定事項として掲載されています。この決定前に広く市民が意見を述べる機会はもたれたのでしょうか。さらに、この市報以降は平成18年10月1日の市報まで市民に対して情報が出されていませんでした。極めて少数の関係者による計画決定がなされ、水面下で進行してしまえば、たとえ大多数の市民の意思がどうであろうが、莫大な税金を投入するこの事業が市民にとって本当に必要かどうか問われることなく一方的に推進されてしまいます。このような公共事業推進の方法は既に時代遅れ、病弊していると言っても過言ではないでしょう。多くの市民の度重なる強い要求でやっと開催された12月の市民説明会において『私たち市民の声をこれからでも反映させる気はあるのか?』の問いに「法令に則ってやってきたので変更は一切考えていません」と市長は答えました。また、2月の説明会ではこの事業の拠り所となった費用便益比3.95を問われて「むずかしいことはわかんないよ」と再開発組合事務局長が開き直った事は記憶に新しいところです。市民に分かってもらうために開催した説明会とは思えません。アリバイ作りのための説明会だったのではないでしょうか。このような市の姿勢に対する不満・怒りが多くの署名となって現れています。行政の「説明責任」を越えた「説得責任」「納得責任」が強く問われるところです。次に計画の内容について触れてみたいと思います。まずはじめに、超高層ビルについて市民の大きな反対があります。東村山市北西部地域は、八国山・北山公園などの里山の自然に恵まれ、都内唯一の建造物国宝の正福寺や下宅部遺跡などの歴史的遺産を散策する人の絶えない,緑と歴史のまちです。このまちの玄関口に孫子の代まで消えることの無い超高層マンションビルは似つかわしくありません。景観を大切にしようという潮流は世界的なものになっています。また、超高層ビルがもたらすビル風や電波障害,日影などの生活への影響は計り知れないものがあるでしょう。その地域に住んだり商売を営んだりしている人たちがこれからも住み続けたり商売を続けるために必要と言われていたビルに入る方たちはほんの少数であり、また、ビル内で商売を続けるかたはゼロと聞いております。1階の生協の店と2・3の飲食店だけの出店でにぎわいが得られるのか、町の活性化となるのか、超高層ビルの必要性は薄れているのではないでしょうか。次にビルの2・3階の公益施設について、なぜ市が10億円以上も出して床を購入するかについても疑問の声が高まっています。外のフロアーと比べ、床単価の高さは顕著です。今月11日の公益施設運営検討会を傍聴しましたが、残念ながら活発な意見は出されなかったように思います。必要があって市が購入するのではなく、最初に購入ありきで後から利用方法を検討しているという非常に愚かな方法だからでしょう。市報には健康増進機能や市民交流機能、リラクゼーション機能や行政窓口など多くの施設計画・運営計画が掲載されていますが、本当に市民が望む施設となるのでしょうか。また、ランニングコストとして毎年5000万円以上が必要と公表されています。財政面からも大いに問題があると思います。次は地下駐輪場です。地下に設置する事により、防犯の観点から不安が生じます。また、入り口が十分に確保できないため混雑時間帯の危険が予想されます。換気や照明、メンテナンスなどで地上より何倍もランニングコストがかかります。建設費も莫大です。地下になぜ設置するのでしょう。駅前にこだわることなく、徒歩数分の場所に土地を求める事はできないのでしょうか。あるいは西武鉄道に現在の用地の譲渡を求めたことはないのでしょうか。安全で経済的な手法が必要です。市民の多くが財政面を心配しています。夕張市の例を見るまでも無く多くの自治体は苦しい財政運営を余儀なくされています。東村山市の借入金残高は737億円と公表されています。今回の事業で市が負担する金額は48億円、そのための新たな借金は34億円です。もちろん借入金には金利がかかり、返済総額は52億円に上ります。(公債費比率が13%台になると多摩26市の中でワースト2になってしまいます。)「累積する市債残高や基金の枯渇状況を鑑みるに、もはや従来のままでは行政運営を継続するのは困難である」と来年度予算編成に向けた通達には書かれています。住民サービスは低下の一途をたどっています。経済が右肩上がりの時代とは異なり税収が落ち込み交付税が削減される現在、この事業だけ聖域として税金を投入していってよいのでしょうか。税収効果1億円に対して金利を含む支出2億6千万円の数字は議会でも出ましたし、日本テレビの全国ネットでも放送されました。先ほども触れましたが、12月の説明会で配布された資料に記載の費用便益比3.95(収益性・利便性・快適性の向上)を信ずる市民は皆無であります。東村山駅西口市街地再開発事業について、推進するべきだとの意見がある一方、この計画のままでは町の発展の起爆剤にならず財政悪化を招きかねないと心配する声も多数あります。多くの市民は、危険な踏み切りや狭いバス通りが改善されて安全に通行できることを最も望んでいます。この際いったん立ち止まって市民の意見を聞いて頂きたい、そんな思いが17291名、いや、選挙人名簿の締め日の関係から登録されておらず無効になった人たちを含めると18000名の署名となっています。ひとりひとり自分の住所・氏名・生年月日を書き、捺印をした重みを感じていただき、議員の皆様の良識ある判断を期待いたしております。