配達記録と内容証明
ネット上の記事で見たのですが、「配達記録郵便」が廃止されるらしい。配達記録郵便とは、郵便が届けられたときに受取人から受領印を取ることで、その郵便が届けられたという記録が郵便局に残るものです。郵便物を送ったことが後々の証拠として残る「ナントカ郵便」にはいろいろあって紛らわしいですが、それらを区別して適切な方法を選択すべきです。今回はそういう話。多くの方が聞いたことがあると思われる「内容証明郵便」とは、「こういう内容の手紙を送った」というのが証拠として郵便局に残るものです。だから郵便局でそれを出すときにはコピーを持参して保管してもらうことになる。1行何文字、1ページ何行までという字数制限があるなど、割と面倒です。料金は内容にもよりますが、だいたい1000円くらい。また、「配達証明郵便」というのもあって、これは郵便物が相手に配達されたことと、その日付が、郵便局からハガキで知らされる。ただ郵便物の「中身」(手紙に何を書いたか)まで証拠に残るわけではない。料金はだいたい800円くらい。この2つをミックスして、「内容証明」と「配達証明」の両方がついた郵便というのも可能で、そうすると、「こういう内容の手紙を何日に発送して」「それが何日に相手に届いた」ということが証拠に残る。料金は2つを足して2000円前後です。冒頭の「配達記録郵便」は、受取人から受領印を取るが、それが差出人に知らされるわけではない。ただ、あとあと何らかの問題が生じた際には、郵便局で調べればその郵便が付いていたかどうかがわかる。料金は安くて200円くらい。これが廃止されるらしいですが、うちではあまり使わないので、特に影響はありません。さて、「内容証明郵便」というのは、上記の通り所定の文字数や書式があり、手続きが面倒なだけあって、普通の手紙に比べると少し厳めしい感じがします。だから、例えば知人が借金を返さないなどといったトラブルの際に利用されることが多い。実際、内容証明を送りつけると、相手が驚いてお金を返してくれるようなこともある。しかし、内容証明郵便は法的に見れば単なる「手紙」です。郵便局がハンコを押してくれて、「こういう内容の手紙を送った」ということが証拠に残るだけであって、その内容が正しいと認められたわけではないし、その主張に法的な強制力が発生するわけでもない。何でもかんでも内容証明を送る、という人がいますが、実際には内容証明にする意味のない場合も多い。不必要なのに内容証明を出すと、手間と費用が無駄にかかるだけです。何より、相手を驚かせてやろうと思って内容証明を出したのに、わかる人が見れば逆に「こけおどしだ」と内心笑われることも予想される。では、郵便物を内容証明で出すべきなのはどういう場合か、これは次回に続きます。