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ブログ版 南堀江法律事務所

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2006/07/03
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カテゴリ:雑感
従来、事務所のHPの「スタッフの雑感」のコーナーに掲載していた雑文のうち主なものをこちらに移してきました。以後、これら雑感もこちらのブログに書いていこうと思います。改めて以前のHPを見ると、雑感だけに大したことを書いてなかったので、大幅に削除しました。


1 平成18年4月に書いた、民主党女性候補の選挙戦勝利についての雑感。

4月23日に行われた、衆議院千葉7区の補欠選挙、自民党公認の候補を破って民主党公認の太田氏が当選。太田氏が過去「キャバクラ」で働いていたことなどに対する中傷もあったようですが、太田氏は「事実だから」と受け流して勝利。民主党のファンなわけではありませんが、なかなか痛快です。

当事務所の旧HPにも書きましたが、キャバクラその他の風俗産業は、大っぴらにやるべきものではないが、かと言って否定されるべきものでもない。事実であればことさら隠匿する必要はないと思う。

ただ、太田氏、とある新聞の報道するところでは、キャバクラに勤めていた理由を「社会の諸相を見て経験を積むため」といったニュアンスで説明しているようですが、ここは何といいますか、ヌード写真集を出した女優がヌードになった「意義」をことさら強調したがるのと相通ずるものがあってちょっと興ざめです。たとえばもっと真正面から「私はそこそこ美人なので男をたらしこんでお金を稼ぎたかった」とでも言ってくれたら、もっと痛快だった。

いちおう解説しておきますが、キャバクラというのは、時間制で料金を払い、ホステスさんがついて飲食を供してくれる業態です。ホステスさんとは基本的にお話しするだけで、脱ぎもしなければ触ることもできない(これが可能な業態をセクキャバ=セクシーキャバクラといいます。私、詳しくないんで、間違ってたらこっそり教えてください)。

私は、キャバクラのホステスなんて恥ずかしい仕事だとは思いますが、その職能に対しては一定の敬意を持ってます。客のどんなつまらない話でもにこにこしながら聞いてあげないといけない仕事なんて、私ならお金をもらってもできませんから。


2 最近聞く「法化社会」とは何かについて、平成18年3月に書いたもの。

最近たまに聞く「法化社会」という言葉。
これからの日本は法化社会になる(もしくは、ならなければいけない)などと言われています。私の手元の国語辞典には載っていませんが、法律が遵守されている社会、紛争があれば法律で解決する社会、といった意味であると思われます。 

もちろん、不正・違法がまかり通る社会、紛争を暴力で解決する社会であってはならないのですが、何でもかんでも法律に訴える、不満なことがあったら法律を持ち出す、そんな社会にはなってほしくないなあと思っています。

ホントかウソか知りませんが、有名な話で、アメリカで、消費者が猫を電子レンジで暖めようとしたら死んでしまったので、メーカーを訴えた。「猫を暖めないでください、とレンジに書いてなかった」という点に法的責任があると。

日本でも、最近、タバコのラベルに「吸うと心筋梗塞になります」とかいう表示が記載されるようになった。「たばこ事業法」に基づく義務だそうで、日本が加入している条約でそれが国際的にも義務付けられているらしい。そうしとかないと、「タバコのせいで死んだ」などと訴えられるからでしょうか。アメリカで確かそんな訴訟があったかと聞いていますが。私はタバコは吸いませんが(葉巻はたまに嗜む)、あのラベルは見苦しいと思う。

それから最近、DVDを見ると、最初に、「DVDの内容は当社の見解とは関係ありません」とかいう注意書きが延々でてくる。そうしておかないと「DVDに収録された映画の内容が不快だったからそのDVDを販売した業者を訴える」人がいるかも知れないからでしょうか。ビデオなら早回しできるけど、DVDだと早回しのコマンドを受け付けないようになっていることも多いのでやっかいです。

日亜化学で青色ダイオードを発明した中村さん、不本意な金額で会社と和解した後、記者会見で「日本はロボット(のような技術者)を作る国だ」と吼えていました。一方、ノーベル賞を受賞した島津製作所の田中さん、「これからも島津製作所の一員としてやっていきたい」といったコメントを出していました。この方たちに対する法的に正当な対価がどれくらいなのかはわかりませんが、単純な感情として、どっちと友達になりたいかというと、中村さんよりは田中さんです。

取りとめがなくなりましたが、何かあったら法に訴える、法に訴えられないように過剰な警戒を行う、それが法化社会だとすると、当事務所は儲かるかも知れませんが、個人的感情としては少し嫌な社会だなと思います。


3 平成18年1月に書いた、法廷における「起立・例」の意味について。

裁判所の法廷に傍聴にくる人が近年増えています。
原因は、少し前にキムタクが検事役をやっていたドラマ(実際には見たことないですけど「ヒーロー」とかいうタイトルでしたか)ではないかと思います。ドラマを放映していたころに、傍聴人が如実に増えましたから。
もちろん、裁判は公開法廷で行われることが憲法でも定められているので(82条)、誰でも法廷を傍聴できます。手続も不要です。ただ、傍聴希望者の多い事件は整理券が必要です。

ところで、裁判の始まりに、裁判官が法廷に入ってきたとき、弁護士や検事は起立して礼をします。傍聴席の方も、法的義務はないですが、ここは礼儀上、起立・礼をすべきだと思います。
では、その起立・礼は、誰に対してしているものなのか、どういう意味があるのか(以下完全な私見です)。

裁判官に対して礼をするのか、というと、これは違います。裁判官は公務員で、私たち国民の税金で養われています。ですから、彼らが私たちに「いつもごはんを食べさせてくれてありがとう」と礼をすることはあっていいと思いますが、私たちが彼らに礼をする理由はありません。

では、あの礼は誰にしているのかというと、それは、法廷に対して、法廷で裁かれる事件の当事者に対して、そして大げさに言えば、法廷で行われる正義に対してしているのです。

たとえば刑事事件においては、被告人がそこで裁かれ、場合によっては死刑の判決を下されることがある。人が人を裁き、有罪判決を下してその人の自由を奪い、命さえ奪うこともできる。
民事事件でも、「お金を払いなさい」という判決が出れば、それを命じられたほうはイヤでも払わないといけない、そうでないと財産を差し押さえられてしまう。
これからそんな峻厳な手続が開かれようとしている法廷で、私は頭を下げて礼をしてから、臨みたいと思うのです。

ですから、傍聴席でも、静粛に、行儀よくしましょう。それは裁判官に対する礼儀ではなくて、そこで裁かれている人に対する礼儀です。

話はキムタクのドラマに戻りますが、「Tシャツ姿の検事」というのが新鮮でウケたのですよね。あれはドラマだから面白いですが、現実にはあってはならないと思います。裁かれる人に対しTシャツ姿で取り調べをするなんて論外と思う。






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Last updated  2006/07/03 04:25:03 PM



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