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カテゴリ:判例、事件
公務員の交通事故の話から、刑事弁護人の気持ちに対する雑感のほうへ話が流れていきました。前回の件はまた続く、と言いつつ、私の個人的な雑感続きなのでちょっと目先の変わった話題でも。
昨日、難波のビックカメラをブラリと見ていたときに、店内の大型テレビでやっていたニュースで見ただけなので、ちょっと不正確かも知れませんが、こんな事件がありました。 北海道・釧路のサウナで、ある男性が、就寝中だったある男性の局部を触る行為をして、「準強制わいせつ罪」で捕まったと。捕まったのは釧路の裁判所に勤める裁判所事務官(裁判官ではないけど、れっきとした公務員)だったと。ゲイ趣味のある方だったのでしょうか。 また公務員の犯罪か、とそれはともかくとして、「準強制わいせつ罪」というのが聞きなれない犯罪だと思います。 もしかしたら、こう考えた方はいませんでしょうか。 男性が女性を触るのが強制わいせつ、男性が男性を触ると準強制わいせつ、と。これは違います。 準強制わいせつ は、相手が抵抗できない状態にあることを利用して、体を触ったりしたときに成立します(刑法178条)。 強制わいせつ は、抵抗可能な相手に積極的に暴行(無理やり触るのも暴行のうち)を用いて触ったときに成立します(176条)。 眠っている状態にある被害者を触ったという点で、準強制わいせつ罪というわけです。なお、いずれの罪も、被害者が男でも成立します。本件みたいに男の体を触ってつかまるというのはあまり聞きませんが。罪の重さはいずれも、6ヶ月以上7年以下の懲役。 ついでに、強制わいせつと強姦の違いは、ご存じの方も多いと思いますが、姦淫(セックス)行為があるか否かによります。これも、相手が寝ているときなどに行うと、準強姦となります。罪の重さは同じで、2年以上20年以下の懲役(177条、178条)。 強姦罪は、男性が女性を強いて姦淫すること、という定義なので、上記の事件のように男性同士の間では強姦罪は成立しえません(もちろん女性同士でも)。 話は変な方向にそれますが、では、女性が男性を強いて姦淫した場合はどうなるのか、というと、強姦罪でなく強制わいせつ罪にとどまります。 男性が女性を力任せに犯すことはよくありそうだから特別に強姦罪を設けて厳しく処罰しないといけないが、その逆はほとんどないだろうから普通に強制わいせつで処罰しておけばよかろう、ということです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/09/19 09:39:20 AM
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