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カテゴリ:雑感
新年早々は裁判所も休みモードで重要な判決も出ないでしょうから、また雑感を書きます。
法律は知っていて使わないのが望ましい、という話を年末にも書きましたが、新年にこんなことがありました。 正月3日ころのこと、自宅近くで見かけた光景です。 初老の女性(Aとします)が自転車に乗って私の前方を走っていた。交差点で、曲がり角の向こうから中年男性(B)と、その妻と思われる中年女性(C)を乗せた2台の自転車が出てきて、初老女性Aさんの自転車が男性Bの自転車とぶつかって転倒してしまった。 幸い、互いにスピードはさほど出ていなかったし、女性Aは怪我もないようで、すみません、と言いながら自力で立ち上がった。妻Cは男性Bの少し後方を走っていたのですが、心配そうに女性Aを見ながら、「だいじょうぶですか」と声をかけている。 この間、男性Bの側は何をしていたかというと、「怪訝な顔で黙って見ていた」のです。 妻Cはその場で自転車を降りて女性Aに手を貸そうとしているのに、男性Bはその場を走りだして、数m先で妻Cを振り返って、「何をもたもたしてるんだ」と言ったような顔でその光景を黙って見ていました。 さてこの男性Bの行為に何か法的問題があるかというと、おそらく、ないのでしょう。 見ていた限りでは、女性Aの自転車の前方に男性Bの自転車の側方が当たった。つまり交差点に先に進入していた男性Bの自転車に女性Aが自転車を当ててしまった形になる。若い人なら、とっさに反応してブレーキを握るなどして、衝突は防げたと思う。 男性Bの側の過失割合はゼロではないのだろうけど、女性Aがケガをしたのでない以上、損害賠償義務も発生しない。 男性Bには法的責任を問うことはできない。 しかし、そういうことは問題ではなく、初老の女性が転倒しているのにそれを黙って見ている男性の態度、手を差し伸べようとすることもなく走り去ろうとした男性の態度に、ものすごく嫌な気持ちになりました。 ホントかウソかは知りませんが、アメリカなど西洋では、交通事故などのときに「すみません」と言ってしまうと責任を認めたことになってしまうから決してそれを言わないとか。 上記の男性Bが、こういうことを考えて黙っていたのか、それとも単に冷たい人であっただけなのかは知りません。 しかし、法化社会、訴訟社会になってくると、こういった場面で上記のような態度を取る人がきっと増えてくるでしょう。 そして私は弁護士でありながら、そんな世の中になってしまうのは絶対に嫌だと思っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007/01/06 02:23:17 PM
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