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カテゴリ:法律、制度
「ホワイトカラー・エグゼンプション」を制度化する法案の提出が見送られたとか。
よくわからない言葉ですが、仕事に対する賃金を、労働時間ではなく仕事の成果によって評価する仕組みです。 たとえば一定の仕事をするにあたって、平均的能力を持つAさんが1日8時間を要するとしたら、能力のあるBさんは6時間で終えることができ、能力の劣るCさんは10時間かかる。この場合、ABC3人の給料は同じで、仕事が早く終わったBさんは先に帰れるし、Cさんは2時間残業しても残業代は出ない、というものです。 この最後の点は、「残業代ゼロ制度」と労働組合の反発を受け、厚労省は法案提出を見送らざるをえなくなった。 この制度を要望する経営者側の気持ちはわかる。今の労働基準法なら、バリバリ仕事をして定時に帰る社員より、だらだら仕事をやりながら社内に遅くまで残っている社員のほうが、残業手当の分、給与が高いことになる。 かといって、たしかに実現は難しいのだと思います。 この制度についてはまだ私も不勉強で、かつ私はサラリーマンというのをやったことがないので想像で書いているのですが、「一定の仕事」といっても、会社には無数・無限の仕事があるのでしょう。「早く終わったら帰れる」と言われても、社内には次の仕事がある。他の社員や上司も社内にいて帰りにくい。 一方、残業のほうは容赦なく増えて、しかもそれに対する手当てが支給されない。反発が起こるのもわかる。 でも、この制度、適用範囲をどう画するか、仕事の成果を誰がどう評価するかといった中身の議論はほとんどなく、「残業代ゼロ」はけしからん、だけの議論で流れてしまった印象がある点、やや残念な気もしております。 これは、世論をうまくあおった(という言い方が適切かどうかわかりませんが)労働組合の勝利であり、そんなあおりを呼び込んでしまった厚労省・経営者団体の敗北であろうかと。 「ホワイトカラー・エグゼンプション」という、よくわからない外国語をそのまま言い習わしていたことが、得体の知れない制度と受け取られ、いつの間にか「残業代ゼロ制度」との「超訳」(?)が跋扈することを許してしまった点が、敗北の一端であると思います。 今になって経営者団体は「高度専門職年俸制」とか、他の訳語を考えているようですが、果たして次期以降の国会で起死回生となりますかどうか、注目したいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007/01/18 08:13:29 AM
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