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カテゴリ:法律、制度
ホワイトカラー・エグゼンプション法案が今国会に提出できなかった一因として、言葉がわかりにくいために誤解を生んだため、ということを書きました。
付随して話を拡げると、最近の政策や法制度には分かりにくい言葉が多い。 昔の政府は、何をやろうとしているのか分かりやすかった。 戦後で順に挙げていくと(カッコ内は時の総理)、 講和条約(吉田)、日ソ国交回復(鳩山)、安保条約改定(岸)、所得倍増(池田)、沖縄返還(佐藤)、日中国交回復(田中)、といった風に、明確で具体的な、かつ実現したかどうかがハッキリ分かる政策を立てていた。 安倍総理はどうかと言いますと、「美しい国へ」という、それ自体は否定しないけど何をするか不明確で、かつそれが実現されたかどうか検証のしようがない政策です。 政治・政策において言葉は大切です。上記の中で、言葉ゆえに最も成功したのが、池田総理の「所得倍増」計画でしょう。 国民全員の給与の額面が正確に2倍以上になったわけではないだろうけど、マクロ的なレベルでいうと、国民所得は2倍以上になった。当時の日本の成長率からしてそうなることは、経済がわかる人なら予測できたらしいけど、それを明確に具体的に、 「今後10年間で皆さんの所得を倍にします」 と言ってみせることで、国民は湧き立った。 最近は、社会が成熟してきて、以前ほど大きなテーマが少なくなっているのは分かる。それを差し引いても、政治家や官僚は政策を分かりにくい言葉で語りすぎると思うのです。 前回の選挙では民主党が自らの政策を冊子にして、「マニフェスト」という、これもよく分からない外国語にいちいち置き換えて配布した。 私はあれを読んでいません。国民の中でどれほどの人があれを読んだのでしょうか。 選挙のときにその人やその政党の政策をどこまで検討するかというと、せいぜい、新聞の政治面を読む程度ではないか。それすら読まない人も多いと思う。それが一般大衆(私も含めて)の現実の姿でしょう。 だからこそ、政策を語るときは、分かりやすい、短い言葉で語ることが必要なのです。 「マニフェスト」にはいいことが書いてあるから読んでおけ、というのは傲慢な姿勢であって、誰もついてこない。 法案一つとっても、ホワイトカラー・エグゼンプションっていう良い制度を導入しようとしている、知らないなら調べておけ、と言わんばかりによくわからない外国語を振り回すから、誤解され反発されるのだと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007/01/19 08:02:45 AM
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