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カテゴリ:判例、事件
夫婦別姓に対する反対論が増えたと。内閣府の世論調査の結果だそうです。
日経の昨日朝刊に記事によりますと、別姓容認(法律を改めるべきだ)が5年前の調査で40%以上だったのが今回36%に減少、別姓否定(法律を変えなくてよい)が30%以下から35%に増加し、賛否ほぼ拮抗した状態になっているとか。 反対派が増えた要因について新聞は何も語っていませんが、大げさに言うと保守的傾向への回帰ということでしょうか? まあこれは何らの論拠も統計的資料のない私の浅はかな考えです。 私自身はというと、夫婦別姓に反対です。父と母の姓が違うなんて、そして生まれてくる子と父母の一方の姓が違うなんて、家族として極めて不安定だと思います。 家族個々人の、自我と個性とアイデンティティが確立していればそんなの問題ない、と言わんばかりの方も見受けますが、世の中のほとんどの人は自我も個性もアイデンティティも確立していないのであって(私も含めて)、そんな人は家族の姓が同一であって初めて家庭として一体感・安定感を持つことができるというのが本音なのかも知れません。 もうひとつの調査。 非嫡出子(父母が婚姻関係にない子供。例として、愛人の子や内縁関係で生まれた子供)は法制度面で不利な扱いがされていることをどう考えるかという問いについて、「不利な扱いをしてはならない」との回答が58%(前回比3%増)。 では、非嫡出子の相続分は嫡出子の相続分の半分である(下世話な言い方をすると、父親が死んだとき、愛人の子は正妻の子の半分しかもらえない)との民法の規定を変えるべきか? との具体的な問いについては、「変えないほうがよい」との回答が41%。「変えるべき」の24%を大きく上回っています。 非嫡出子の不利な取り扱いの最たるものがこの相続分の問題だと思うし、実際に裁判などでもよく争われるのですが、そこは変えるべきではないとの意見が多数だったというわけです。 総論賛成、各論反対みたいな調査結果です。 「家よりは個人が大事」「非嫡出子は差別されてはいけない」といった言葉は、頭では何となくわかるとしても、正直な感情としては、日本人の頭には「家」という観念が染み付いているように見受けました(私はそれが悪いこととは思っていません)。 皆さんはどのような感想を持たれたでしょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007/01/29 03:38:13 PM
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