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カテゴリ:法律、制度
このブログでたびたび取り上げてきた民法772条問題について、法務省から通達が出されたようです。これまでのシリーズのまとめも兼ねて、再整理します。
民法772条2項は、今年1月の シリーズ1 でも書きましたが、こういう内容です。 女性Aが、前の夫Bと婚姻していたが、何らかの事情で、新しい男性Cの子を身ごもった。前夫Bとは離婚が成立したが、女性Aと男性Cの間の子Dが生まれたのがBとの離婚後300日以内であった場合、Dは、本当の父Cでなく、前夫Bの戸籍に入る。 母Aと子Dがかわいそうだ、という批判は多いですが、私はやむをえない規定だと思っています。 この規定の合理性については、シリーズ2、シリーズ3を。 ただ、上記のように「かわいそう」なケースも生じうるので、それは法律や裁判制度の運用で救済すべきだ、と考えます。その点はシリーズ4、シリーズ5。 その後、検察官までもがこの規定の適用を間違えるというミスをした話をシリーズ補遺1で書きました。 そんなこともあってか、法律の条文そのものを変えるのではなく、その運用(法律のあてはめ方)を変えようという方向になりつつあるという話を補遺2で書きました。 かくてこのたび、法務省が出した通達はこういうものです。上記の例を使って言いますと、 女性Aが子Dを身ごもったのが、前夫Bとの離婚後であることを医師の証明書によって明らかにすると、Dは前夫Bの戸籍に入らない。女性Aが男性Cと再婚していればCの戸籍に入り、再婚前であればAの戸籍に入る。 重要なのは、Dを懐妊するのはあくまで、前夫Bとの離婚成立後でなければならないことです。 報道によると、離婚後300日以内に他の男性との子供が生まれるケースの大半は、前夫との離婚成立前であって、この通達によって救われるのは1割程度だそうです。 この点について法務省当局は、「現行法の中でできるだけのことをやった、あとは国会による法改正を待つ」と言ってるらしい。 当局の肩を持つわけではないですが、もっともなことで、やむをえないと思います。 民法772条の1項のほうは、(AとBが)婚姻中に懐妊した子供は、その夫(B)の子供と推定する、という規定を置いています。 離婚成立前に懐妊した子までを新しい男性(C)の子供だと扱うと、この1項のほうにあからさまに反してしまい、「解釈の限界」を越えてしまいます。法律を運用する立場としてはそこまで緩めるわけにはいかないでしょう。あとは、法律の内容そのものを改正する権限を持つ国会の動きに待たざるをえない。 私は、上記シリーズ2、3で書いた理由で改正は慎重であるべきだと考えますが、今後は国会での議論に注目したいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007/05/08 05:49:32 PM
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