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カテゴリ:判例、事件
唐突ですが労災の話から。
ある人が勤務中の事故や病気で死んだとする。労働災害(労災)なら労災保険金が出る。 労災かどうかを判断するのは役所(地元の労働基準監督署)です。 役所が、この人が死んだのは勤務のせいではないと判断すると、労災扱いにならない。 以下ごく大雑把に言いますが、 地元の役所の判断が不服なら、その上の役所(都道府県の労働局)に判断をやり直せ、と求めることができ、都道府県レベルの役所の判断に不服があれば、さらに上の、大臣レベルの審査会に再審査を申し立てることができる(行政不服申立て)。 役所のトップまで争ってなお、労災ではないと判断されたら、今度は役所を相手に裁判所へ訴え出ることができる(行政訴訟)。 このように、行政判断について不服の場合は、最終的には裁判所で争うことができるのです。 さて、少し前の報道ですが、山口県の母子殺害事件の弁護人に対し、何千人の人が弁護士会に懲戒請求を出したことについて、その請求を却下する決定を弁護士会が出したらしい。 何千人分のすべてについて却下されたのか、詳しいことは知りませんが、懲戒処分は出なかったということです。 (このことの当否については少し前にも書きました 前の記事 ) 弁護士会は、役所ではないですが、ある程度は公的な役割を果たすということで、最初に述べたのと同じことがあてはまります。 たとえば各都道府県の弁護士会がある弁護士に対する懲戒処分を行うとする。その懲戒処分が不服な弁護士は、全国レベルの組織である日弁連に審査のやり直しを求めることができる。 日弁連もまた、懲戒処分を下したとしたら、裁判所へ、日弁連を相手に訴えることができることになる。 話が長くなりましたが、同じことは、懲戒請求を却下された側にもあてはまります。 東京弁護士会が今回した却下の決定に不服があれば、日弁連へ訴えることができる。 日弁連もそれを却下すれば、今度は裁判所へ、日弁連を相手に訴えることができる。 懲戒請求を出した何千人の人のどれだけが、本気であったのか。そして今後、日弁連を相手に裁判所へ打って出ようという人が果たして一人でもいるのか。 いたらいたで少し興味ある展開になると思います。 もし何千人もの人が懲戒請求を出しておりながら、そこまで本気で争おうって人が一人もいなかったのだとしたら、それはそれで怖いことだなあと思っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007/12/08 11:34:12 AM
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