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カテゴリ:こころ・からだ・気づき
この本に関しては、あまりにもいろんな解釈や考察ができ、
すでに深い解釈も数多くあります。 何か解釈を加えることでこの小説の本来の姿が曲がってし まうようにも思えます。こういう小説は思うところは自由 にして、「このように解釈できる」というようなことは 言わない方がよいのかもしれません。 それを踏まえた上で、この小説では、現実なのかメタファー なのか単なる実体のない象徴なのか分からないものがいくつ も出てきます。 現実世界にもよく見てみるとこのようなメタファーや象徴と とれることが結構あります。 心理的な葛藤が身体症状となって表れるという場合がありま すが、その症状はその人の葛藤の象徴的な症状(すなわち メタファー)であることがあります。 例えば、感情や情動の表出ができず、ため込んでしまったり、 抑圧してしまうという人が「嘔吐」という身体症状を呈する ケースを見ることがあります。 この場合、抑圧した感情を言葉や表情で表出する代わりに 「嘔吐」という形で表出しているのでしょう。 身体症状というのは実に不思議です。 どうして他ではなくその身体症状が出るのか。 「脆弱部位に出る」というのは表面的なことに過ぎません。 例えば「頭が痛い」という言葉は単に症状としての「頭痛」 以上のことを意味したり、「頭痛」とは別のことを意味する ことさえあります。 このような文脈やメタファーとしての身体症状を考えてみると、 その症状の意味も見えてきそうです。
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