044504 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

ミネコウ

ミネコウ

カレンダー

コメント新着

管理人@ Re[1]:お正月はアルテイル(12/31) mkd5569さん >ブログ更新おつかれさまで…
mkd5569@ Re:お正月はアルテイル(12/31) ブログ更新おつかれさまです。 あっとい…
管理人@ こんにちは  どうも、応援ありがとうございます。
サトウ@ サトウです。 更新頑張って下さい。 FXとか教えてます。…
アルカニーナ@ こんにちは  ご訪問とカキコをありがとうございます…

カテゴリ

バックナンバー

2024年06月
2024年05月
2024年04月
2024年03月
2024年02月

フリーページ

2011年12月30日
XML

カテゴリ:創作
 私の幼少時代は、ひたすら、何か、修練に励んでいた時期であった。

多分、私の縁が深い女性、彼女から、私は、厳しく歌を歌うことを教えられた。
その歌は、時代遅れな感じがする、男性の声を際立たせる、低音を特に、丁寧に歌えなければ、ならないので、声変わりしてない、私には、とても大変なことであった。 

 しかし、世の中では、そういう時代に乗り遅れた感じの、技術を疎む傾向にあった。

人間とは、適応することで、その力を最大限に発揮できるのである。歩みを止めたら、そこで、終る。
私には、他にやるべきことが見えていた。しかし、それを言葉にすることはできなかった。
そんなある日、彼女に出会った。

今、という時代に生きる人間の心を、常に形にするのが、歌である。

 …彼女の世界は、物憂げで、儚く終る。けれど、人々の心は、そこにあるのだと、私は思った。
私の歌を、水面に投げ掛けて、そこに、一つの幻が浮かんだ。幼い私よりも、少し大人の彼女は、私の声を私だとは気づかなかった。喉が痛む。少し、無理をしてしまった。でも、やらなければ、彼女の心を繋ぎ留めることはできない。

光あるところ、闇あり。彼女は、幻想の世界に囚われた。そして、私の存在は消えた。私という、真実を、常に存在していながら、世界は忘却していた。

長い、長い、私の記憶。そこには、私の彼女に対する思いがある。彼女は、長い時間を経て、私の気持ちを理解してくれた。私は、自分という存在を、隠して生きてきた。だから、彼女の目を通して、私は、私という存在を改めて、いたのだと思い、回想してみた。

 深い闇の底に、私はいる。私は、光の当たる世界に生まれ、人として生きるつもりであった。
しかし、世の中が不条理にも、人間性を無碍にして、私という人間に対しても、否定していた時代。
そこには、未来はなかった。未来を信じられない私は、あらゆる可能性に否定的で、心を閉ざしていた。だが、私の心の中で、人として、希望を信じて生きようとする、心が芽生えた。

 私という人間の役割は、人から都合良く替わりのすぐあるような、使い捨てのものばかりであったが、彼女は、私という人間が、この世に一人しかいない、素晴らしい人間であることを教えてくれた。

私の人生を、改めて思い返して、私という人間は、どれだけ頑張って、結果は出せずとも、周りの人間に思いやりと厳しさを併せ持って接してきたのを、私は知っている。私自身に対しても、私はそうありたいと、人からおかしくみえる行動でも、意味があることであると、今は、思える。

 …彼女、幼い少女の心にも似ている人。自分の人生を、よりよく生きる為に、他人が押し付けた幻想を、一度は受け入れて、自由を得る機会を待っていた。もし、私の様に、頑なな心で、拒絶して、そこで、自分の人生を終えてしまえば、今、私はこうして、生きてはいないだろう。私が、私という存在を否定されて傷ついた時、都合良く、私の少女の様な心を利用しながら、それを隠す為に、押し付けられた男性性すらも、彼女は受け入れていた。私は、そこまで心が広くないので、彼女の器の大きさに、ただ圧倒されるだけである。

かって昔は、男性の声で歌うのは嫌いであった。しかし、今は、その歌は、彼女が歌っているのだということを知っている。私は、その深い心と強さに敬服する。ただ、表面的なことだけでなく、内面までも理解し、今も、彼女は広い世界へと羽ばたこうとしている。私も、まだ、未来を見つめて、彼女が、私の心に投げ掛ける波紋を、どこまでも、いつまでも、眺めていたい。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011年12月31日 03時16分22秒
[創作] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.