ミネラルのおうち

「月下氷人」・・・「仲人」とか「お互いの仲を取り持つ人」という意味があります。
英訳して、「アイスマン」。
主人公の知乃は、母親が祖母の形見分けでもらった古い箱の中に、「男女の仲を取り持つまじない」があるのを見つけ、それを遊び半分で実行していまう。
「絶対にそうなるはずがない・・・」と思う知乃の予想は外れ、まじなわれた男女は相思相愛の仲になってしまう。
そして、まじないをかけた直後に知乃を猛烈な痛みが襲う・・・。

こんな話で始まる「アイスマン。ゆれる」。
人工透析を受けながら、自分がいなくなった方が娘は幸せになれるだろうと、毎日つらい思いを抱えて生きる母親と、不思議なまじないの力をめざめさせてしまった娘、知乃の親子２人。
知乃は、母親のために結婚も恋愛もあきらめていたのだが、ある日、学生の時に密かに思いを寄せていた東村と再会し、恋心を抱くようになる。
しかし、まじないは他人だけにしか働かないため、自分の恋をまじなうことはできない。
そんな中、親友の鮎美が東村のことを好きになってしまい、知乃に東村とうまくいくように、とまじないを依頼する。

これまで知乃は友達や知人のために３度まじないをしており、その度に、体を襲う激痛はおおきくなっている。
今度やったら、命はない・・・とまじないの主に言われ、さすがに鮎美の頼みも聞けずにいた。

そんなとき、突然知乃の母親の容態が急変し、亡くなってしまう。
母を失い、生きていく気力もなくしてしまった知乃は、東村のことをあきらめ、自分の命もあきらめ、鮎美と東村が相思相愛になれるようまじないをかけるのだったが・・・。



すごく切なく、泣けるお話。
娘を思う母親の気持ち、母親を思う娘気持ち、いろんな思いがあふれていて、とても切なかったです。
最後がどうなるのかは、ここには書きません。
ぜひ読んでみてください。