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カテゴリ:書評
トム・ケリー、ジョナサン・リットマン(鈴木主税=訳)「イノベーションの達人! 発想する会社をつくる10の人材」(早川書房、2006.6)を読んだ。プロダクトデザイン会社IDEOのゼネラル・マネジャーが執筆した、イノベーションを起こすために必要な人材の特徴を10列挙して具体的に解説した本である。イノベーションとは言え、製品・サービスのデザイン面やマーケティング面での成功のコツ・ツボであり、技術開発・技術革新ではない。 しかしながら、述べられていることやその事例には非常に興味深いことがたくさんある。「人類学者」としての特性は、なんども見たことがあるのに・初めて見たような視点で見れることであったり、「ハードル選手」としての特性は、どんなに悪い状況でも一筋の明るい希望を見つけることであったり、「経験デザイナー」としての特性は、何が真実かを嗅ぎつける勘をもっていることであったり、「語り部」としての特性は、要するにと思いつつ話を聞かないことだ。 また、引用や語彙も気が利いている。 ・「私は失敗したことがない。一万通りのうまくいかない方法を発見しただけだ」 by トーマス・エジソン ・「私はいつでも学ぶ用意があるが、かならずしも教えられることが好きなわけではない」 by ウィンストン・チャーチル ・「ビジネス・リーダーは、事実と真実の違いに意識的であるべきだ。企業はあまりにも 事実ぎりぎりのところで語りすぎ、本来はもっと中心部の真実を貫徹すべき」 ・「私たちの多くは、他人の物語を理解するとき、近道をしようとする悪い癖がある。」 自分がもっとクリエイティブな部門にいたら、もっともっと感動したと思う。でも、非常に良い本には違いない。(評価 星五つ:★★★★★) イノベーションの達人! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.12.23 14:53:46
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