日本の商人道
元松下電器産業副社長で、現在ユニチャーム監査役・HIS取締役の平田雅彦氏の講演を聞いた。講演タイトルは、「日本の商人道」で主に1685年丹波亀岡生まれの石田梅岩の説いた「都鄙問答」の内容の紹介である。商人とはいかにあるべきかを問答形式でその道を示したものであり非常に示唆に富む内容であった。極端な話、現代マーケティング学は「人にモノを買わせる・買う気にさせる」学問であるとの前提に立つと、マーケティングは非常に胡散臭いものであると考えられる。 一方、マーケティングと商人道の対比で考えると、サービスやCSは「おもてなし」、経費削減は「もったいない」、ブランドは「のれん」とも言い換えられる。マーケティングは顧客に「働きかける」ものであり、商人道は「自らを律する心や精神」であり、日本人としては心に響く心地よい感触であり、胡散臭さとは対極にある。 お土産を人に渡す時の決まり文句は、日本では「つまらないものですが・・・」であるが、英語では「I hope you like it.」である。日本人は、あなたがとてもすばらしい人なのでこんなものは似つかわしくないのですが・・・と考えて「つまらないもの」と表現する一方、欧米では、私が選んだすばらしいものはあなたにお気に召すはずです・・・と表現するのと同じ位の対極にある。 とてもいい話を聞いた。