コーンド・タン(豚ver.)
私は(というかウチの家族は)内臓系、いわゆるホルモンが大好きです。音楽のホルモンだけじゃなくて肉だってホルモン好き。ニコニコしながらレバーやらタンやらを臆せず食べる我が娘・4歳女児に薄ら寒い感情を覚えたりもしますがまあ、とにかく好き嫌いなく何でも食べるのは良いこと!!私は中学生の頃読んだ壇一雄氏の本で「ロースが上等で内臓が下等などということがあるものか」というような内容の一文に衝撃を受けたことがありそれ以来食べ物の選り好みはしない人になりました。(自分の食文化的に受け付けない生物は別として)そんなホルモン好きの私達一家ですがそのなかでも“タン(舌)”は高級食材として認識しています。それこそ、私が中学生の頃は牛タン(加工なし・丸ごと)なぞ一般食品として扱われていなかったので激安食材でしたが(1本1,000円位だったと思う)焼肉ブームだか仙台牛タンブームの煽りでとんでもない高値に。ああ、あのゴロンと大きい丸ごとタンをマリネして作ったコーンド・タンを薄切りにして、マスタードをたっぷり塗ってサンドイッチにしてかぶりつきたい!!……などという夢はなかなか叶わないご時世になってしまいました。---ところが先日、いつも行くコープの店舗で豚タン(未処理・丸ごと)を発見!! あのしょぼくれた(失礼)店舗でこんな食材があるとは。迷わず購入、夢に見たコーンド・タンを製作しました。本気で作れば数日がかりの料理なのですが「今すぐ食べたい!」の欲望に勝てず、簡易バージョンに。下処理にはハーブを多めに使用。何でも結構です、家にあるハーブをどんどん使う。ハーブと塩まみれ。これをゴシゴシ揉みこむ。塩を塗ったくったらしばらく放置。頃合を見てボイル開始です。2、3時間は茹でたでしょうか。こんな感じに茹であがります。タンの処理・調理を始めて見たというダンナ、「うっわー……グロいなぁ。本当にベロの形してる(汗」とのコメント(笑) なるほど、そうきたか。扱い慣れている者としては新鮮な感想です。なら、丸ごとの牛タン見たらどんなリアクションなんだろう?(笑その“あまり見た目のよくない塊”、冷まして皮をむきスライスします。この日は良いパンがなかったしストレートに味わいたかったので、そのまま頂きます!いかがですか?きれいに盛り付ければちょっとしたオードブル。もう「グロい」なんて言わせません!ダンナも「へぇ~。こんな味になるんだ」と見た目と味のギャップに驚いていました(意外にアッサリです)。残りはタンシチューにします。1本で二度おいしい!豚だからってあなどれません。安いし簡単だし、ワインを飲む方には絶対オススメの食材です。私の食生活、食に対する根本的な姿勢に多大な影響を与えた人物の一人、壇一雄氏。作家としてだけでなく、一流の料理人でもあった氏の食に関するエッセイは魂に響きます。中学生時代からの私のバイブルです。