カテゴリ:映画雑感
ベルシー駅から歩いてくると、シネマテークはこの写真に近い角度で視界に入ってきます。 ちなみに人がたくさん写っているのは、日曜に撮ったからです。たぶん。) (続きです) 天野君から、私達のせいじゃないと告げられてなんとも言えない気持ちになり、すぐに立ち去ってしまった私。 だって・・・・天野君に言われて急に思い出したけど、鼻をグズグズ言わせていたのはうちの主人なんだもん! 私は映画にものすごく集中していたので、鑑賞中に主人の鼻がシュンシュンと音を立てている事になんて全く気付いていませんでした。 でもそういえば、天野君が夫にジェスチャーをしているとき急に現実に引き戻された私は 「あれ?鼻をすすっているなんて、風邪ひいたのかな?」 と、ちらっと思ったのでした。 (この時まだ、夫は風邪をひきはじめたところでした。) 主人の隣に座っている自分にすら気にならなかった音が、まさかもう一つお隣の席の天野君に届いているとは考えすらしなかったし、彼が移動してしまってからすぐに作品世界に舞い戻った私は、そんな事すっかり忘れていましたが・・・。 映画のあと天野くんに席を離れた理由を聞きに行った時の私は、実はちょっとイライラしていました。 まさか自分達(正確に言えば、私の夫)に非があるとは思っていなかったので、自分はどちらかというと被害者だとすら思っていました。 なのにこちらに原因があったなんて、この気持ちはどこにぶつければいいの・・・? 自分が席を変えたのは他の人だと嘘をついてくれた天野君。(かたじけない!) それは彼の気遣いなのでしょうね。 それに夫が天野くんの映画鑑賞を妨害してしまったのは事実だけど、何にも気付かず映画にのめり込んでいた私の気を、どうしても夫の鼻の音が気になってしまった天野くんが散らしてしまったのもまた事実。 天野くんが主人を責めなかったのは、そういった負い目の様な気持ちもあったからかもしれません。 どうにもスッキリしない気持ちになり、つい前回のカフェに寄ってまたキールを注文してしまった私でした。 (主人に「鼻の音の主は、実はあなたなんだよ」と告げると、「えっ!・・・・でもそういえば・・・」と言っていました。コラ!) パリではあらゆるジャンルと時代の作品が、「無数」と言ってもいいほどの映画館で上映されています。 大きさも運営方針も様々なら、客層も様々。 そして当たり前の事ですが、同じ映画館でも作品のカラーによってお客さんの雰囲気がガラッと変わる事もあります 娯楽大作になると周りもポップコーンなどを食べながらくつろいで居る事も多く(私語が聞こえてきたり、椅子の背中に足をぶつけられる事もあり)、良くも悪くも「お互い様」のうるささがあったりするので(私はあまり好きではないけど)、こういった展開にはなっていなかったかもしれません。 だけど、シネフィルが集まるところでは細心の注意が必要なのですね・・・。 なんだかブツブツと書いてしまいましたが、元はと言えば主人が鼻をグズグズさせていなければ何も起こらなかったのだから、やはり映画館では(しかもシネフィルの多いところでは)万全を期さなくてはね、と肝に銘じた出来事でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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