テーマ:★留学生活★(629)
カテゴリ:留学記・留学関連の話
最初の試練は新学期早々にやってきました。
忘れもしない「Critique(評論)」という授業の第一回目で 「来週までに映画の評論を一本書いて来い」 という課題が出たのです! リサンスから編入したので うまく行けば一年で学士を修了させる事が可能だった私ですが、 当時は自分が最短期間で学位を取れるという 自信はありませんでした。 フランスの大学は 日本と違って留年する人が多いと聞いていたし・・・。 もちろんできる事なら一年でディプロムを取りたいけれど 無理なんじゃないだろうか・・と 揺れていた初期にそんな宿題が出てしまってさあ大変! 焦りつつも、早速用意に取り掛かる事にしました。 まずは映画を選ばなくてはなりません・・・が、 私は何も考えず友人のススメに従い、一緒に当時公開中だった 「女はみんな生きている(コリーヌ・セロー、2001年)」を観にいきました。 (今思えば意外な選択だなぁ・・・。) それまでフランス映画を字幕無しで観た事が ほとんどなかったので批評を書くほど理解できるか不安でしたが、 テンポが良くあらすじの分かりやすい映画だったので なんとか把握できました。 第一関門突破!ふぅ・・。 それから数日後、 学部が違うながらも顔見知りだったローランというフランス人男性と カフェで待ち合わせ、A4用紙一枚分の文章を読んでもらいました。 フランス語の間違いなどをチェックしてもらうつもりだったのです。 ところが・・・ どうやら「間違いをチェックしてもらう」以前の問題がある様でした。 それには、理由が2つ。 1つ目の問題・・・・それは文章の一部が意味不明であるという事でした。 話している分にはほとんど問題なく通じている私のフランス語が いざ書くとなると、こんな問題を抱えていたなんて・・・・ 私もびっくりしたし、ローランも驚いていました。 それは私が自動詞と他動詞の区別をきちんと行っていなかったから (なんと未熟な!!)だと、後に自分で理解するに至るのですが (この事もいつか書きたいと思ってます)、 その時はまだ理由が分かりませんでした。 「今ナゾを解明している時間はないから、 今回はとにかくまずいところを指摘してもらおう!」 と覚悟を決めて文章の修正も手伝ってもらい、 この問題はとりあえず(表面上)クリア。 が、この時致命的だったのは2つ目の問題。 私の説明を聞いて、私の書いた事が全て分かったローラン。 少し困った顔をしています。 そして、一言。 「君の言いたい事は面白いけど『評論』とは違うんじゃないかな?」 ・・・・・! そうなのです! 数年ぶりの「提出物」と、 生まれて初めて書く「映画関連のテキスト」に、 私は必要以上に舞い上がっていました。 時間が無く急いでいたのも、勘違いを後押ししたかもしれません。 私はなぜか、「批評」ではなくて「分析」をしていました・・・ ・・おバカ過ぎる・・・・。 ローランの指摘でこの事実に気付けたものの提出期限は目の前で ゼロから書き直した文章を再度彼に チェックしてもらう時間がなかったので、 この時は観念して「分析」を出す事にしました・・・。 でも結果が戻ってきて、少しほっ。 フランスでは試験は20点満点で その半分の10点を取れれば一応及第という事になっているのですが、 この時私がもらったのは、まさにその「10点」でした。 お情けでギリギリの点数をくれたのだろうなと察しがついたものの、 次はもう少しまともなものを書けるはずなので、 希望が見えてきました。 2回目の提出物の準備の時には、 もっと頭を使って「批評」らしきものを書いたのは 言うまでもありません。 (ちなみに先生のコメントは字が雑過ぎて、私だけでなく 周りのフランス人にも読めませんでした・・・。) 自分の馬鹿さ加減が恥ずかしい限りだったけれど この失敗をバネに、 これからは授業の意図や先生の狙いをもっと考えてから 課題に取り組もうと肝に銘じたのが、 その後の私の原点になりました。 (続く) ランキングに参加しています。 投票(をクリック)していただけると、嬉しいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.09.18 04:11:10
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