映画大好き夫婦のパリ新婚日記

2008/05/01(木)05:10

王様はつらいよ ~日仏お客様事情

フランス社会を泳ぐヒント(14)

(写真は東急ハンズ的存在のBHV) 今度は、「フランス社会を泳ぐヒント」なんていうカテゴリーを作ってしまいました。 当たり前の事だけど、フランスはやっぱり外国。 留学を開始する前からカルチャーギャップを覚悟してはいたものの、 フランスのお国柄が日本とはあまりにも違いすぎて 怒り心頭になったり落ち込む事が時々ありました。 先進国同士なのにこんなにも考え方が違うとは思っていなかったのですが どうやらこの落胆はフランスにやってくる日本人に共通する傾向らしく、 このダメージが原因で「パリ症候群」に陥る人もいるそうです。 (by同名の著書で有名なパリの精神科医・大田医師。) 日本社会に慣れていた私にとってはまだまだ納得のいかないところも多いのですが 毎日イライラしていては心身に毒なので、自分なりに少しずつ克服しようとしています。 このカテゴリーではその方法(&苦悩?)を書くつもりです。 日本には「お客様は神様です」という、ちょっとコミカルなフレーズがあります。 そしてフランスに住めば住むほど、 自分が今までいかに、このフレーズ通りの社会で生きていたのかが分かります。 たとえば(確か)19時半で閉館する新宿のIデパートで、19時20分くらいに流れるアナウンス。 「ご来店ありがとうございます。 まもなく閉館とさせていただきますが、お買い物中のお客様は引き続きショッピングを お楽しみください」 ここ数年日本に居た事がほとんどないのでもしかしたら今は違うのかもしれませんが、 少なくとも私が小さい頃は、この様な内容でした。 実際に一度だけ19時半を大幅に遅れて退館したのですが、特別に急かされた記憶はありません。 (申し訳なくて、こちらが自主的に焦ってしまいましたが。) ところがです! 数年前、閉店10分前のラファイエットに駆け込んだ私はびっくり。 下りのエスカレーターは動いているのに、上がりのエスカレーターはことごとく止まっていました。 どうしてかは覚えていませんが何らかの事情があってエレベーターにも乗る事ができなかったので 「あぁ、『もう買い物はするな』という事なんだな」 と諦めて帰ろうとしました。 ・・・・・・と!更にびっくり。 まだ閉館時間にもなっていないのに、 なんと地上階のショーケースにカバーが掛け始められているのです! そして閉館時間きっかりに売り子さん達は自分のハンドバッグをショーケースの影から取り出し すたすたと帰っていきました。 え・え・え・え・え! 彼女達にとっては「閉館時間=自分が仕事をあがる時間」なのですね・・・。 (もちろんクリスマス時期などはそんな事ないだろうと思うのですが。) フランスでは「お客様は王様です」という格言があるそうなのです。 「神様」ではないにしても、「王様」なのだからもう少しまともな対応をしてほしいなと 私は常々思っていました。 (何がどう「まともでない」のかについては、また次回に書きますね。) でもこんな事を数年考え続け、去年あたりにようやく気付いたのだけど・・・・ フランスといえばそういえば、革命を起こして王家の人々を殺した過去を持っているのでしたね。 そして、その時できた歌を現在も国歌として使っているあたりからも分かる様に 革命の歴史を誇りに思っているのよね。 なんだか急に、「王様」扱いを受けるのが全然有難くない事に思えてきた・・・。 投票(をクリック)していただけると、嬉しいです。 人気ブログランキングへ

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