2006/07/19(水)19:00
2006年ハワイ/出会った笑顔編3…
ボランティアでチャリティーをするサモア人女性
ミニミーが気がついたのはパールシティのウォルマート。レジを済ませてから出口に向かう途中あたりのスペースにデスクと椅子が置いてあって、そこに浅黒い巨体の女性が座っていた。デスクの上にはボールペン数本と10×20cm四方、気球のイラストがプリントされたカードが何枚も置いてあった。
「なにをやっているんだろう?」 そう思って彼女に近づいて微笑むと、ボランティアでチャリティーをしていると言う。そういえばお店の入口でも少年少女がクッキーやキャンディーを買ってもらおうと必死でお客さんに話しかけていたっけ。彼らが販売しているものはすべてウォルマートの商品で、彼らの売上げの数パーセントがお店から寄付としてバックされるらしい。お店の中でボランティアをしていた彼女は販売ではなく、完全な寄付を呼びかける担当だった。
彼らがボランティアしている団体は「Kapi’olani Children’s Miracle Network」。サイトを見たらウォルマートもスポンサーになっていた。
寄付は一律1ドルをお願いしているというので、お子がいないミニミーもなにかの縁だと思って快く1ドルを彼女に手渡した。彼女は1ドル紙幣を受取ると、代わりにデスクに広げてあったカードとボールペンをさし出した。ここにミニミーの名前を書いてウォルマートの店内に貼り出すんだって。それを聞いたミニミーがなんとなく恥ずかしそうな顔をしたみたいで、そうじゃなかったらミニミーの子どもの名前でもいいしペットの名前でもいいとつけくわえてくれた。あいにくお子もペットもいないミニミーがとっさに書いたのは 「From JAPAN」。
彼女の声が急に大きくなった。ミニミーの顔をまじまじ見ながら、自分にも日本人のお友だちがいるってニコニコして大きな身体を反りかえした。小さな椅子が壊れそうに見えた。男性のお友だちらしく、彼は自分のことを「バキッタリ」って呼ぶと言うから「彼女の名前はバキッタリっていうんだ。」とミニミーが納得した顔をしたら、「Means stupid.」だって。
ああ、「バカッタレ」ね。 ちょっと待って、そりゃひどいって言ったら、彼は愛情こめてこう呼ぶんだから大丈夫と笑った。ミニミーもほっとした。
ふとミニミーご一行様が車の中で待っていることに気がついた。その旨を伝えて立ち去ろうとしたときに彼女が言った。「ありがと」「ファッアフェタイ」。「私はサモア人、サモアの言葉でファッアフェタイはありがとうの意味。」ミニミーは3度ほどその言葉をもごもご繰りかえしてから大きな声で「ファッアフェタイ」と彼女に言ってウォルマートを出た。バッグに常備しているメモを取り出してその言葉を書き留める姿を見てハビーが不思議そうな顔をしていた。
こうなったらもう「出会った笑顔編4」に続きます。