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わがままなお母さまが電話してきました。 「女王ちゃん~?今い~い~?」 女王さまのお母さまはなぜかいつも、今からご飯を食べようかというときだとか、王さまのお弁当を作っていて時間がないときだとかに、いつも狙ったように電話してきます。 いつも、女王さまに怒られるので、この頃は最初に必ずこう聞くことにしているのです。 「今は大丈夫だけど、何か用?」 テレビを見ていた女王さまは、長くならなければいいがと、警戒しながら答えました。 「うーん、北海道のことなんだけどぉ~」 「勿体ぶらんと、はよ、しゃべれ」 女王さまの言葉で勢いを得たかのように、お母さまが話し始めます。 「あのね、こないだね、旅行会社に連絡したんだけどね、なんか、ツアーの人数が足りないみたい」 「なんだとぉぉ?足りないって、そりゃ行かれないってことか?」 「いや、まぁ、まだ1ヶ月はあるから、大丈夫でしょうって旅行会社の人は言うんだけどさぁ。でも、お母さん、もう仕事休んだし~、おじいちゃんも行くって言ってるし~。中止は困るのよね~」 「(; ̄д ̄)おじいちゃんいくの??」 「うん、行くって言ってる。珍しいよね」 「ほな、おばあちゃんはどうするの?」 「トイレ近いから、ツアーで行きたくないって」 なるほど。 しかし、おじいさまと、お母さまと、両方の世話をしなくてはいけません。 女王さまはちょっと立ちくらみがしていました。 いや、おじいちゃんはマシなのだ。問題は、お母さんなのだ・・・。 このままツアーがなくなってしまえばいいとバチ当りなことを思ってしまった女王さまです。 「でさぁ。もしさー、土壇場になってキャンセルになったら、どうしようもないじゃん?だからさ~、もうちょっと待ってみて人数が集まらないようなら、他のところに行かない?」 「まー、えーけどさー・・・。そしたら、どこ行くか考えといてね」 どうせ、女王さまの意見なんて聞いてもらえないので、適当に答えて電話を切りました。 北海道になるのか、それとも、全然違う他の場所になるのか、今のところ答えは出ていません。 それでも、王さまに報告だけはしておこうと思い、夕食の席で女王さまはいいました。 「あのね、北海道ね、いけるかわかんないんだって。 ツアーがね、中止になるかも。でも、まだわかんないけどね。 んで、もし、北海道に行けなかったら、別のとこに行こうって言っておった。 私は箱根がいいんだよねぇ。箱根。富士山が見たいわけよ。やっぱ、日本人は富士山さね~」 「それっていつ?」 「(-”-;)うーん、10月の~、29、30、31って言ってたような・・・」 「だめだっ!だめだそれは行けないぞっ」 え、私、旅行に行っちゃいけなかったの??女王さまは慌てました。 「; ̄д ̄)な・・・なんか親戚で行事ごととかあったっけか??」 「いや、仕事」 仕事って・・・なんで王さまの仕事があったら、私が旅行に行ってはいけないのだろうか・・・。 なんか、特別な出張とかあったっけか?? でも、出張があっても、王さまが勝手に自分でしたくして行けばいいじゃーん。 「ハッ!Σ( ̄Д ̄;・・・ひょ・・・ひょっとして、王さま、自分も行こうとしてるの?」 「; ̄д ̄)あれ、オレ、人数に入ってないの?」 「だって、王さま、仕事だから行けないってあぁ~た(σ-"-)σ が最初に断ったじゃん・・・」 「あ、人数に入ってないんだったらいいの、いいの。どうせ仕事だから。ただ、人数に入ってたらいけないなって・・・」 王さまは一生懸命取り繕っていました。 「ゞ( ̄∇ ̄;)そうだよ~、北海道行ってもさー、二人でならともかく、じーさんやら、うちの母親やら連れて行っても、王さまはおもしろくないだろうしね~」 女王さまも話を合わせましたが、どーも、空々しい食卓になってしまいました。 あくる日。 「来月、バースデー割引で北海道いく?」 思わず、王さまに提案してしまった女王さまでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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