(6) **リハビリ病院 8/16~8/31**(6) 2003/8/16~8/31まえへ(5) つぎへ(7) ~私って 邪険?~ *転院32日目* 2003 8/16(土) 本当に毎日雨ばかりです。 洗濯物も乾かず困ります。 今日は1:40からSTです。 数字にはかなり反応できますが、身辺の名詞には相変わらず薄いです。 デイルームでSTの宿題をやりながら、今後の1ヶ月について話しました。 今まではOT・PTに時間を合わせて来ていましたが、これからはOTの前に着くように来て一緒に漢字と文章題をやり、リハビリの見学をしたら夕食は見ないで帰るようにしてみよう。 OT・PTについてはかなりの効果が期待できそうだが、STについては家族の関わりがかなり必要と思われるので、時間の使い方を変えてみよう…とshinに提案しました。 昨日と同様黙って聞いていましたが、自分に関する事なので納得するしかない…と思ったようです。 ただ私に対してもリクエストがありました。 もっと優しく接して欲しい・・・・と。 そんなに邪険にしているつもりは・・・無いのですが。 H病院にいた頃は笑顔を忘れずに…と常に思っていたのですが いつしか忘れてしまったのかもしれません。反省。 PL高校と当たった福井商業のピッチャーが9回裏のピンチを切り抜けて勝ちました。 インタビューの中で「ピンチを楽しむ」と言っていました。 高校生にしては出来すぎの言葉とも思いましたが。 そうか、ピンチを楽しむ。 shinの病気もピンチ、PCのウイルスもピンチ、あれもこれも 今の私の回りはピンチだらけかも。 そうであれば福井の若者が言うように、楽しむのも手じゃないか。 ただ潰されてしまうよりは楽しんで負けたほうがまだ良い。 勝てたら、イヤ乗り越えられたらもっと良い。 そのためにはどうやったら楽しんで乗り越えられるかを考えなければいけない・・・・そう思いました。 家族に対しても「一呼吸おいて」接する事にする。 これはshinの病気だけではなく私の転機でもあり、 自分のイヤな所は変えていく勇気を持たなくては…。 明日からリハビリ病院も2ヶ月目になります。 *********** ~2ヶ月目 ~ *転院33日目* 2003 8/17(日) 今日からノートは3冊目になります。 転院から1ヶ月が過ぎ、やっとこの生活にも慣れたように思います。 F病院は五階建てですが、玄関があるフロアーはG階と呼ばれ OT・PTのリハビリ室や室内プール、種々の検査室、外来診察室や受付などがあります。 入院患者も外来患者も同じリハビリ室でリハビリを受けますが、広いPT室は真ん中に壁はありませんが左右で患者が違う事が最近分かりました。 入って左側では病気や怪我・事故などでのリハビリが行われています。 一方右側は脳血管障害を持った人たちのリハビリ用のスペースです。 先生方も夫々分野があるようで、右先生と左先生に分かれています。 1、2階はOT室と一部外来の診察室を除けば病室です。 このフロアーは病気、怪我・事故などで入院している人たちが主にいます。H病院で一緒だったYさんの部屋は1階です。 shinがいる3階は脳血管系の疾患の患者がほとんどのようです。 1、2階に比べれば日常生活の自立度も低く、その分スタッフの負担が多いと言えるでしょう。 4階は用が無いので上がった事はないのですが心臓リハビリ系のフロアーだそうで、3階とはまた違った雰囲気があるとか。 1ヶ月経つと家族の方ともいろいろとお話をする機会も増え、 家族の悩みや不安なども話す事があります。 同室のKさんの奥さんはとてもサッパリした方で、私もお姉さんのように話ができます。 Kさんも奥さんも娘達にも気持ちよく接してくれ、子供たちもデイルームでKさんとよく話をしています。 今日は子供たちと病院へ行き、トランプをしたり漢字の書き取りをしたりしました。 夕方早めに帰ると 「あら、3人一緒に帰ったらshinが淋しかったよね」と義母が何気なく言いました。 日曜日でも来れない家族もいるのです。 「じゃあそろそろおかあさんが行ってみますか」と言いたいのをグッと堪えました。 PCの会社から留守電が入っていました。 明日の約束だったので出かけたのに、1日早く電話があったようです。はぁ~タイミング合わない! ********* ~麻痺なせる 右手で書きし 息子(こ)の文字を 枕辺おきて 指のなぞえる ~ *転院34日目* 2003 8/18(月) 朝からウイルス駆除がやっと出来ました。 サポートセンターの指示通りにクリックを繰り返し、正常な状態に戻すことができました。ヤレヤレ。 昼食前に義母からshinに渡すようにと短歌を預かりました。 先日の誕生日のメッセージを読んでの心境を歌にしてあるようです。 いい機会なので早くshinに会って欲しい…と何回目かのアピールをしました。 両親の気持ちも分からないではありませんが、shinも 「なんで来ないんだ、どうして会ってくれないんだ」と事ある毎に言います。 こんなに近くにいるのに、会わないのはやはり変です。 早く気持ちの区切りをつけて欲しいと思います。 今日からOTの前に1時間程度勉強の時間を取ることにしました。 漢字の書き取りと算数の文章題。 書字と文章を読み取る練習から入ろうと思います。 数日前からshinとも相談していたので、スンナリとスタートできました。 テキストは小学生用なので、その点もよく説明しました。 (中には自分を子ども扱いにするのか…と怒ってしまう人もいるそうです。失語症も人により症状が様々なのでこれと言ったテキストも無いのが現状だそうです。でもいいテキストがあれば…と切に思います) 母の短歌を見せました。 「早く来ればいいのに…」と涙声で言いました。 内容は分かったようです。 OTはマッサージをしながら介護保険や身障者手帳についてI先生の話を聞きました。 OTは座ってのリハビリが多く先生との距離も近いため、いろんな話が出来ます。 I先生も親身になって話を聞いてくれます。感謝です。 籐編みは籠の底の部分ができ、これから立ち上げていくそうです。どんな籠になるのか楽しみです。 PTは久々にO先生のリハです。 ボール投げの後、両脚に重りを着けて歩行です。 リストバンドを大きく重くしたような重りは2kと5kを使いました。足を持ち上げる事を意識させるためのようです。 以前初めて昇った段差で、今日は両足ジャンプです。 3度目で両足揃えて上がる事が出来ました。 1週間ぶりのO先生のリハビリにshinはヘロヘロでした。 帰りに量販店に寄り洗濯機を見ました。 水漏れもするし、天気は悪く乾かない日が続くので買い換える事にしました。 ******** ~教育ママ~ *転院35日目* 2003 8/19(火) 2時ごろ病院着。 今日は一人で髭剃りを済ませていました。 後始末は細かい作業のため、まだできませんが。 4時前のOTまで漢字の書き取りとSTの宿題をします。 デイルームといっても区切られた部屋ではなく通り道になっているのでしょっちゅう人が通り、shinを見て行きます。 私は無理矢理勉強させてる教育ママのようです。 午前中デジカメで我家の階段、段差、出入り口を撮影しました。OTの時にI先生に見せ、早速病院のPCに取り込んでもらいました。 この後、退院までにshinの状況を見ながら手すりの位置や改修などについてのアドバイスがあるようです。 「今まで写真は現像してもらっていましたが、デジカメで貰ったのは○さんが初めてです」と言われました。 火曜日のPTはK先生の担当日です。 準備運動の後、仰向けのボール投げ、輪投げ。 ひと足ずつの直線歩きで前進とバック。 随分足取りもしっかりなってきましたが、さすがにバックはよろけています。 その後、廊下の歩行と階段昇降です。最近はPT室内の階段ではなく建物内の階段で練習するようになりました。 久しぶりにYさんと会いました。 彼女もリハビリ頑張っているようです。 お互いに家の事や子供の事などを話しました。 明日は両親が面会に行くと言っています。 shinにもそう伝えました。微妙な顔をしていました。 ********** ~面会 ~ *転院36日目* 2003 8/20(水) 今日は約70日ぶりに両親がshinに会いました。 やっと気持ちの整理がついたのでしょう。 「先にお父さんと勉強しておくね」と子供たちはひと足早く病院へ行ってくれました。 デイルームで久々の再会でしたが、私は何となく外した方がいいかなと思い、買い物にでました。 どんな話をしたのか分かりませんが、戻ってみると3人ともいい顔をしているので、良い対面だったのでしょう。 shinも嬉しかったようです。私もホッとしました。 デジカメで3人の写真を撮りました。 静岡の弟達にも報告しておこうと思います。 担当看護師のIさんから 「最近調子がいいので、日中のオムツを外して普通のパンツにしてみましょうか」と提案されました。 転院当初にも、いずれ…と言われた事がありましたが、一時はトイレ事情も思わしくなく、本当にそんな日が来るのかしらん…という気持ちもあったので、とても嬉しく思いました。病院スタッフの手間より患者の状態で環境を選択してくれるこの病院のスタンスに感謝しました。 5時からのPTも両親は見学しました。 PT室にいても年齢的には違和感がない二人ですが!、shinのリハビリの様子を真剣に見学しています。 ちょうどPTが同じ時間だったKさんの奥さんも、私のところに来て「ご両親が来てくれて良かったわね」と喜んでくれました。 病棟に戻ると看護師のIさんも両親の面会を喜んでくれました。 皆にとってじんわりと嬉しい日となりました。 ********* ~またケンカ ~ *転院37日目* 2003 8/21(木) 昨夜は義母が「shinに会えば泣いてしまいそうで、涙を流すのが怖かったのよ」と私に語りました。 う~ん、親ってそんなものなのかな。 しかし胸のつかえがひとつおりて、私もホッとしました。 午後、洗濯機の配達を待って病院へ。 (それにしても防水パンの埃はすごかった) 乾燥機能つきにしたので、これからは天気が悪くても大丈夫です。(きっとこれから晴れるでしょう) 最近肩こりがひどいので明日は鍼に行く事にしました。 予定をshinにも話しましたが、鍼の後は体がだるくなるので 早く帰る・・と言ったのがshinは面白くなかったようです。 「こんなに近いんだから(ってちゃんと距離を分かっているのかどうか)誰か来れるだろう」と言います。 私も疲れがピークのようでカチンときました。 精神的にもちょっと余裕が無いのは自覚していたのですが。 2~3日休めたらいいなと思いますが、PTの前にケンカのようになったのはちょっと反省です。 昨日の事もあり気持ちもゆるんだのでしょうか。 何となく気まずいまま帰ってしまいました。 ********** ~誕生日~ *転院38日目* 2003 8/22(金) 肩こりと腰痛がひどいので鍼に行きました。 しばらくご無沙汰でしたが先生は今日が私の誕生日だと覚えておられ、「ロウソクの代わりよ」とお灸でもしっかり治療してもらいます。 私の話もよく聞いてくれる方なので、体も気持ちも少し軽くなりました。 午後から病院です。 病室へ入るとたまたま居合わせた看護師さんが 「○さん奥さんに何か言うんだったでしょ」とshinに言葉をかけました。 「あ、そうだ。お誕生日おめでとう」とshinが言いました。 昨日気まずい感じで帰り、気になっていたのですが私の誕生日を覚えていたようです。うれし。 1時間ほど漢字と算数をして帰りました。 鍼の後は体もちょっとだるく、OT・PTとも見学はパスです。 夜、両親から「お誕生日おめでとう」Faxが届きました。 父は正確な年令を書いてくれていましたが、母は20歳も年令を間違えています。 早速電話すると 「ごめんごめん、20年も先の事まで心配したのよ」と言っていました。久々に大笑いです。 ********** ~外歩行~ *転院39日目* 2003 8/23(土) 午前中子供たちの用事を済ませ、2時ごろ病院へ着きました。 身支度を済ませてデイルームで学習です。 漢字、算数をやっているところへOTのI先生が通りました。 「ふーん、○さん結構小さな字を書いていますね」と言われました。 OTやPTの先生方はリハビリ室だけでなく、他の患者を病室まで送った帰りに別の患者をチェックしたりと、細かい目配りをします。 そしてその情報は患者に関係する他のスタッフと共有するようです。情報の伝達は早く、恐るべし…です。 でもこのお蔭で安心してリハビリが出来るのだと思います。 学習の後で休憩しているとKさんがやってきました。 丁度おやつの時間だったので、一緒にブレイクです。 今日は午前中PTのO先生と病院外歩行をしたようです。 歩行のリハビリは病院内だけではなく、近くの駅までのコースを使う事もあるようで、緊張した面持ちの患者とPTの先生をよく見かけます。 病前は何ともなく歩けた道も、階段、段差、歩行者…など沢山のバリアがあります。 O先生は「歩けると言う事は、ただ足が使えるだけではなく 目に入るいろんな情報を処理しながら前に進めなくてはいけませんから、大変な作業です」と言われました。 ナルホドと思います。 感想を聞いたら「かなり緊張したよ」と言っていました。 月曜日に先生に様子を聞くことにしましょう。 同室のUさんは週末外泊だそうです。 今日はクラクラするほど暑くなりました。 ********* ~共同作業 ~ *転院40日目* 2003 8/24(日) 朝から暑く、洗濯物もよく乾きます。 午後から病院です。 先に次女を病院で降ろし、私は買い物を済ませました。 次女は「お父さんと勉強しとくね。私が先生だから!」とちょっと嬉しそうに言います。 私が病院に着いたのと、同室のUさんが外泊から帰ってきたのが同じタイミングでした。 Uさんはニコニコといい顔をしています。 外泊の様子を聞いてみると、Uさんは 「楽しかったよ。久しぶりにお風呂に入れて気持ちよかった」と笑顔で答えます。 一方奥さんは「疲れたぁ~」と一言。 昨日今日の暑さはすごいので、ご家族は大変だったでしょう。 外泊は患者の気分転換だけでなく、退院に向けてのシュミレーションの意味もあります。 これから先、家の中に何が必要か、家族はどう対応しなくてはいけないのか…等など、実際に生活してみて分かる事が重要だそうです。 Uさんは高齢のご夫妻なので,体力的にも大変な部分がおありでしょう。 shinも9/14,15と外泊を予定しているのだけれど、大丈夫でしょうか。ちょっと心配。 デイルームでSTの宿題をしているとKさん登場です。 今日の言葉集めは「電気製品」がテーマです。 shinはなかなか言葉が出てきません。 しばらく黙って見ていたKさんが、じれったくなったようです。 私がヒントを出し、Kさんが答え、shinが書く…こんな展開になりました。まぁいいか。 ********* ~暑い日 ~ *転院41日目* 2003 8/25(月) 今朝からラジオ体操です。 夏休みも昔のようにずっとラジオ体操がある訳ではなく、登校班単位で希望があればどうぞ・・・の時代です。 子供たちは早起きしたくないようですが、夏休みの終わりに学校モードになるためにする所が多いようです。 残っていたオープンキャンパスに出かけます。 前回とは学部を変えたので、私が聞いていてもなかなか面白い説明でした。 終了後、学食でお昼です。 定食を頼みましたが、タカナともやしの炒め物がユニークな味でした。 偶然にもshinの会社の近くだったので、場所をチェックしました。駅からはそこそこですが、自宅からは2時間コースです。遠いな…と思いました。通勤もストレスになっていたのでしょうか。 今日も信じられないくらい暑く、帰りの路線の選択も間違ってしまいました。 病院には夕方着きました。 PTのO先生に土曜日の歩行訓練の様子を聞きました。 疲れてはいたものの特に問題も無かったようです。 「今週末に散髪に行ってみようかと思っていますが」と尋ねたら「いいですね」と答えてもらいました。 長女も私も疲れていたので、早めに帰りました。 ******** ~女子十二楽坊 ~ *転院42日目* 2003 8/26(火) 午前中次女の予防接種に出かけました。 4月に接種票をもらっていたのに、またウッカリしていました。 スーパーの駐車場からちょっと歩いたためか、接種前に体温がなかなか下がらず1時間ほど待ちました。 今日の先生は小学校の校医でもあるのですが、shinが退院してからのホームドクターも探しているのでちょっと興味ありです。 50歳代の先生でしょうか。ちょうど話題になっている「風疹」の予防接種についても丁寧に説明してもらいました。 F病院では殆どの患者が杖歩行か車イス移動です。 shinの病院内での移動は車イスです。 それも自分ではなかなか操作出来ないので、誰かに押してもらっています。 脳血管系で入院している人は、手の障害もあるのでなかなか上手に操作できません。 それでもリハビリが進んだ人は、車イスに座って両足の踵を歩くときのように前後に使い、車イスを動かしています。 病気や整形系で入院している人は、両手で上手く操作しているのですぐ分かります。 shinの場合、右手の感覚も問題です。 マヒがある方の感覚が薄いため、右コーナーを曲がるときやトイレなど狭い所を通る時などに壁やドアに右手をよくぶつけています。 車イスに座っている時は右手はひざの上に置いてねと言っているのですが、なかなか覚えられません。 怪我や骨折が心配でおまけに私もうっかりで、ヒヤヒヤする事が度々です。 今日は火曜日でPTはK先生です。 PT室はいつも何か音楽がかかっています。 ジャズやポップスなどが多いのですが、だいたいノリのいい曲のようです。 この前から気になっていたのは、チャイニーズな感じの曲です。太極拳などに合いそうな気がしますが、 今日はCDプレイヤーの所まで行ってチェックしてみました。 CDケースに「女子十二楽坊」とありました。 娘に聞いてみると「今流行ってる中国人の女の子のグループだよ。皆すごいテクニックを持っているらしいけど」と教えてくれました。 時としてシンドいリハビリを少しでも応援するための音楽でしょうか。 PT室に行く楽しみも増えました。 ちなみにOT室ではいつも民放FMがついています。 これも私が好きな局です。 ********** ~ 障害物競走 ~ *転院43日目* 2003 8/27(水) 2時過ぎに家を出ましたが忘れ物を思い出し引き返しました。 いつもと違う道を通るとすごい混みようで、随分時間をロスしてしまいました。 OTまでの僅かな時間でしたがデイルームでshinと文章題を少しやっているとUさんとKさんの登場です。 看護師さんとの行き違いがあったらしく二人とも何やらフンガイしています。 まぁまぁと皆で梨を食べました。 今朝も三人でSTの宿題をやったらしく、すでにSTの宿題は完成していました。 この三人はどんな遣り取りをしながら宿題をやっているのでしょうか。ちょっと興味があります。 OTの見学はパスして休憩時間にしました。 暖かいコーヒーを飲んで少し眠ると、随分体が軽くなりました。 PTは実習生も沢山いていつもより賑やかです。 今日はタンブルフォームと言う柔らかく大きいスタンドを等間隔に置いてあります。 shinはスティックをのせたボードを持ち早く通り抜けなくてはいけません。 O先生はストップウォッチを持って、まず実習生のタイムを計りました。 障害物競走です。 実習生のタイムは11秒でした。shinは1回目は23秒です。 O先生はshinの真似をしながら無駄な動きを注意していました。 shinの顔が負けん気モードになっています。 2回目は21秒でした。またしてもO先生の勝ちのようです。 O先生も本当に色々と工夫をしながらリハビリをすすめてくれています。 家族として感謝です。shinは分かっているのでしょうか。 病棟でK先生に週末の外出OKを貰いました。 すぐに美容院に予約を入れました。 ********** ~MRI ~ *転院44日目* 2003 8/28(木) 今日はMRIの検査です。 F病院にはMRIが無いので、車で1分の同じ系列病院へ行きます。 F病院には専用のリフトカーがあり患者を乗せて一日に何回も検査や診察のために往復しています。 shinはひと足早く車に乗っていたので私は後から追いかけま したが、MRIには私が早く着きました。 予定より早く開始出来たので、2時過ぎには終わりました。 「すごい音だったよ」と言いながらケロっとして出てきました。 OTの時間に被るかな…と思っていましたが、余裕で間に合いました。 OT待ちの間に隣のベットのNさんの奥さんと話ました。 自宅が近い事が分かりましたが、息子さんも今入院中だそうで大変なご様子でした。 PTは大きなエクササイズボールに座っています。 お尻からつま先にかけて右側のバランス意識を高めるのが目的のようです。 その後ルームランナーで歩きました。時速3.2Kに設定してありましたが、結構へろへろです。 PTでは同室のKさんと少し時間が被るので、いつも担当のO先生と3人で笑い合っています。 きついリハビリも何かしら笑いがあるのが救いです。 SWの内田さんと話が出来ました。 休職期間の延長申請、退院と社会復帰のタイミングがこれからの問題のようです。 時として漠然とした不安ばかりにとらわれますが、問題点がはっきりすると気持ちも随分違います。 ********** ~装具は… ~ *転院45日目* 2003 8/29(金) OTが午前中だったので病院へは4時ごろ行きました。 今日は漢字と計算を自習しており、髭剃りも済んでいました。 出来る時はこうやって出来るのだけど…。 社会復帰はこんな日常生活がスンナリ出来るようになる事なのでしょうか。 髭剃りの電池が切れたから買ってきてとリクエストです。 入院の際に病院の電気は使わないようにと言われたので、電池タイプの髭剃りを使っていますが、よく見ると皆さん病院のコンセントを利用しています。 中には外泊中は充電モードで帰る人も…。 なぁ~んだって感じでしょうか。 PTは右足を中心に屈伸、前屈、輪投げ運びなどをやりました。週に一度はストレッチもしてもらっているようですが、 これは結構痛そうです。 装具についてO先生に質問しました。 「今のところ装具は着けたく無いと思っています」と言われました。運動機能が無くなっている訳ではないので、なるべく頭で考えながら足を上げる事を意識して欲しいとの事です。 装具については様々で、絶対に着用したくないと言う人も多いようですが、自立歩行の一つのツールと考えれば選択肢になるのでしょう。 shinはもう少し様子を見なければいけないようです。 明日は偶数土曜日なので歩行距離などの測定日です。 shinはその時に杖を借りて、そのまま持っておくように言われました。日曜日の外出時も杖を使っての歩行になります。 ********** ~初めての外出 ~ *転院46日目* 2003 8/30(土) さあ今日は初外出です。 午前中のPT測定で借りた杖をそのまま使います。 たまたまF病院も月一度の出張散髪の日で、サッパリした人を沢山見かけました。 病前のshinは散髪嫌いで年に3回も床屋に行けば上等の人でした。 ちょうど発病した日は長女の授業参観後1000円床屋に行き、とても短くして帰ってきました。 ドレナージの挿入のために更に前頭部だけ剃ったので、しばらくはカッパのようになっていましたが、2ヶ月半で漸くはえ揃った感じです。 今回、散髪しようか…と提案したら案の定「まだいい」と答えました。 「隣のビルに行くのだけど、外出できるよ」と誘うとちょっと考えてOKが出ました。 最近は男性も美容院に行く人が増えていますが、shinは1000円床屋でもめったに行かないので、美容院は始めての経験です。 F病院の隣ではありますが坂道を登り、エレベーターが無いので階段を利用します。 坂の下と上と2箇所階段があり、上の方の緩やかな階段を昇りました。 初めての美容院は珍しかったらしくキョロキョロと落ち着きません。一緒に行ってくれた次女と笑ってしまいました。 カットも丁寧でシャンプーもご丁寧に2回と、随分時間がかかりましたが、美容師さんも慎重に仕事をしてくれて仕上がりも満足のようです。 鏡の中でshinもニッコリしています。 帰りは急な方の階段にしましたが、手すりが左側にあったので落ち着いて降りれました。 ステッキ歩行は特に問題もありませんでしたが、昇りの階段は踏み込みが浅かったので、注意です。 帰院予定時間の4時は過ぎてしまいましたが、病院の前のベンチで一休みする事にしました。 院内にこれといったパブリックスペースがないので、ここにはいつも患者や家族が沢山います。 病院玄関前は円形のスペースで回りにベンチが配してあります。大きな時計があるので病院スタッフには「時計台」と呼ばれているようです。 院内の張り紙に、「6月から病院内全面禁煙」と書いてありました。 そのせいでしょうか、ここで一服する患者も多いのですが、 座るときは風下にならないように注意しないといけません。 隣のスーパーから飲み物とおやつを買ってきて、お茶にしました。 今日は適度に涼しく気持ちよい風が頬をなでます。 次女もshinもホッとした感じで、ゆったりとしています。 初外出がうまくいってよかったです。 ********** ~シンドイ日 ~ *転院47日目* 2003 8/31(日) 両親が病院へ行きたいというので、結局全員で病院です。 私は貧血気味で体調が悪く、とてもきつかったのでずっと両親と話をさせました。 次女はデイルームでshinの漢字練習のチェックをしながらKさんと話をしていました。 Kさんは気さくな人柄で、何より聞こえに問題が無いので会話がスムーズです。 我家の娘たちともよく話してくれます。 看護師さんに、「おじいちゃんとお孫さん」と思われたようです。 とてもシンドイ一日でした。 昨日の疲れがでたのでしょうか。 帰宅して、ノートも病院専用にしていたキャリーバックも忘れてきた事に気付きました。 ************ まえへ(5) つぎへ(7) |