句と首 ~その5~
句と首 ~その5~
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~その3へ~
~その4へ~
~その6へ~
*2008年 8月*
8月4日
蓮池に
憩いたき者
集いたり
おさなご老女
蜻蛉も飛べり
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8月5日
炎天に
被りたき人
多かろう
陽炎のごと
駱駝もみゆる
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8月10日
抜け殻も
亡骸もある
夏の庭
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8月11日
巻き沿わぬ
朝顔の蔓
子等のごと
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父よりも
杖うまきこと
笑いつつ
ぎこちのなさは
常のものなり
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8月12日
朝顔の
しぼみてのちの
濃き色よ
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8月13日
オリンピックが始まり家事が停滞しています。
競泳の迫力を改めて感じています。
迷いなき
白き息筋
牙のごと
水遠き我
うらやましくある
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8月14日
征かされて
生かされてより
活き生きて
義父の昭和は
遠く輝く
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8月17日
幼い頃に通った道は懐かしく小さく そして柔らかく。
幾年も
路地すりぬける
風涼し
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8月23日
遠き夏
生まれし吾と
従姉妹をり
あの日もその日も
姉妹若かりし
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8月26日
夏くれて
宿題のバッハ
さらう夢
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8月30日
虹さへも
大草原に
横たわる
スーホの国を
見はるかすなり
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8月31日
芋茎にも
似た食感の
懐かしき
スイカの皮は
母の味やも
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*2008年 9月*
9月1日
好物の
無花果ひとつ
床頭台
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9月15日
これもまたあり
に してみる
敬老日
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9月18日
携えて
叩く太鼓の
よき形
踊ってみたき
アフリカの音
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9月20日
ケシよりも
小さき種より
出でし朱
盛りの朱は
強き朱なり
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透けるほど
払いし枝に
空広し
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9月21日
美枝子昇天。。
微笑みて
桜自慢の
窓なれば
秋の陽ざしに
枝の美し
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