句と首 ~その6~
句と首 ~その6~
~その1へ~
~その2へ~
~その3へ~
~その4へ~
~その5へ~
~その7へ~
*2008年 10月*
10月4日
葉の山に
薄陽眩しき
日のありて
友と語らう
懐かしきことなど
|
10月5日
音を消し
決まらぬ試合
秋曇り
|
10月12日
指先に
乗れる小粒の
気になるも
左勝手の
ままならぬこと
|
10月18日
並びくる
事どもにがし
白一輪
|
10月28日
早朝の
気配窺う
ならいにて
言葉届かぬ義父
遠く居り
|
*2008年 11月*
11月11日
鍵盤に
向う姿勢は
異なれど
静と動
芳醇の音なり
|
11月16日
待ちわびの
誕生日さへ
忘れ去る
義父の安住
何処にかあれ
|
11月17日
さんざめく
拍子木手締め
吊り提燈
今宵二の酉
母の手を引く
|
11月23日
オーブンを
開ければそこは
小宇宙
シナモン多め
好焼林檎
|
*2008年 12月*
12月3日
美ら海を
熱く語りし
旅の子の
名残りの砂は
ま白に浮かぶ
|
12月7日
染みひとつ
残して蜂の
師走かな
|
12月10日
そろそろと
手差し入れる
ふきよせに
棲むものおるか
温き音する
|
12月27日
みどりごの
無垢の寝顔の
温かき
健やかにあれと
こうべをなでる
|
~その1へ~
~その2へ~
~その3へ~
~その4へ~
~その5へ~
~その7へ~
|